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名刺はスキャンして即ゴミ箱に...3拠点生活を可能にした「クラウド活用術」

2022年09月05日 公開
2023年02月08日 更新

佐々木俊尚(作家/ジャーナリスト)

佐々木俊尚

オフィス、自宅、シェアオフィス、ワーケーション──働く場が多様化する中で、仕事に必要な資料をどこでどう管理するか悩んでいる人は多いだろう。

重たい荷物を持ち歩かなくとも、どこでも同じ環境で仕事ができるようになるための資料整理・管理術を、東京・軽井沢・福井の3拠点生活を送っているジャーナリストの佐々木俊尚氏にうかがった。(取材・構成:前田はるみ)

※本稿は、『THE21』2022年10月号特集「人生が変わる『整理術』」より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

紙の書類はすべてスキャンし、クラウド保存

――リモートワークが一般的になり、オフィスと自宅の両方で仕事をするようになると、「今日は自宅作業だけど、あの資料を会社に置いてきてしまった」「先日名刺を交換した○○さんに連絡したいけれど、名刺が手元にない」ということが起きたりします。

佐々木さんは、東京、軽井沢、福井の3カ所で生活していらっしゃいますが、モノや情報をどのように整理・管理されているのでしょうか?

【佐々木】まず、あらゆるものをデジタル化してクラウドに置くというのが基本的な考え方です。ウェブで展開されているメディアや資料はすべてクラウドに置けますが、問題は、デジタル化されていないものをどうやってクラウドに置くか、です。

――紙で受け取った書類はどう管理されていますか?

【佐々木】イベントやセミナーでもらったもの、映画のパンフレット、通信事業者から送られてくる書類、領収書、名刺などいろんな紙の書類がありますが、これらはすべてスキャナーでスキャンして、クラウド保存しています。保存したら、紙は捨てます。

僕が使っているのは、PFUの「ScanSnap iX100」というコンパクトなスキャナー。データをWi-Fiで直接クラウドに転送できるので、パソコンを起動する手間が要りません。スキャナーをデスクの近くに転がしておいて、必要なときにスキャンしています。

――どのタイミングでスキャンするのがいいのでしょうか?

【佐々木】「その日のうちに」が鉄則です。時間ができたときにまとめてやろうとすると、どんどん溜まってしまいます。

例えば、今日はオンライン取材ですが、これが対面取材だったら名刺交換しますよね。終わったら、皆さんの名刺をスキャンしてクラウドに保存。申し訳ないですが、名刺はすぐにゴミ箱に行きます(笑)。

――スキャナーは、拠点間を移動するとき持って行かれるんですか?

【佐々木】スキャナーは持ち歩くには重いので、各拠点に置いてあります。拠点間の移動で持ち歩く仕事道具は、主にMacBookだけです。電源ケーブルやACアダプターも各拠点に置いてあります。

つまり、僕はMacBook1台を持ち歩くだけで、東京でも軽井沢でも福井でも、おおむね同じデータ環境で仕事ができています。

 

タイトルやタグは思い出しやすさを重視

――資料をデータ化する際に、後で検索しやすい名前の付け方はありますか?

【佐々木】どんなアプリでも、保存データにタイトルとタグを付けますよね。タグには書類の種類を入れます。例えば、名刺なら「名刺」、サービス登録のための書類なら「登録関係」などです。1番大事なのはタイトルで、自分が後で思い出しやすい名前を付けます。

僕の場合、名刺ならその方の会社名を入れておきます。あるいは、セミナーでたくさんの会社の方と会ったなら、セミナー名を入れておきます。図書館の蔵書のように体系立てて管理しようとすると破綻するので、自分の記憶のとっかかりと割り切るのが大事ですね。

――手書きのメモなどは?

【佐々木】今はiPadのApple Pencilに移行したので、ついに紙はなくなりましたが、それ以前はメモ書きもスキャンして、タイトルとタグをつけて保存していました。

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