2012年03月01日 公開
2021年08月24日 更新
――少子化は玩具業界を直撃していると思いますが、キャラクタービジネスに未来はあるのでしょうか。
【上野】私はまだまだ深掘りできると考えています。なぜなら、昔はおもちゃといえば子供のものでしたが、いまはそうではなくなっているからです。いい悪いは別にして、多くの人がおもちゃを卒業しなくなった。大人になってもフィギュアやガジェットを欲しがる方がいるわけです。
たとえば、3年前にコレクターズ事業部というものを立ち上げました。この事業部のメインターゲットは大人です。「あれには興奮したよね」という大人の感動を再現することが仕事です。今度、この事業部から0系新幹線(大人の超合金シリーズ)を出しますが、価格は7万円以上します。
こうした商品はもちろん子供をターゲットにしたものではありませんが、事業部の売上規模はこの3年で2倍に成長しているのです。つまり、大人が熱中できるフィギュアやガジェットをごく普通に提案していける時代がもうきているということです。
――大人の元気の素ですね。
【上野】まだまだ開拓されていないエンタテインメントの領域は、たくさんあると思います。
(うえの・かずのり)
1953年、神奈川県横須賀市生まれ。77年、武蔵工業大(現・東京都市大)工学部経営工学科を卒業後、バンダイ入社。
91年、自販キヤンディ事業部部長。99年、執行役員ライフ事業本部副本部長。2000年、執行役員キャラクタートイ事業部ゼネラルマネージャー兼トイ事業戦略室ゼネラルマネージャー。2001年、取締役就任。2003年、常務取締役トイホビーカンパニープレジデント兼ガンダムマネージャー。2004年、常務取締役トイホビーグループリーダー兼チーフガンダムオフィサー(CGO)兼トイホビーカンパニープレジデント。2005年6月、代表取締役社長に就任。
更新:11月27日 00:05