2021年04月12日 公開
2022年10月06日 更新
創業家から受け継いだ「大原イズム」は、クラレの生い立ちや歴史と共に、折に触れて、研修などで社員に共有し、求心力を高めています。
海外企業のM&Aを推進した2000年代以降は、急激にグローバル化が進んでいます。「大原イズム」を知らない海外の社員には、クラレの歴史をまとめた動画の配信や「大原イズム」に関する出版物の英訳などを通じて周知に努めています。
現在、グループで1万1000人を超える社員のうち、約4割が海外の社員です。彼らが会社のことを知れば知るほど、「クラレで働くことに誇りを感じる」という声も届いています。
私はこれまで、輸出や海外の業務に長年携わってきました。その中で、有能でやる気のある海外のメンバーを大勢見てきました。私の想いとしては、彼らのポテンシャルをもっと引き出して、会社のさらなる活力につなげていきたいと考えています。
具体的には、来年度から始まる中期経営計画の策定のためのワークショップに、日本人社員だけでなく、海外の社員にも参加してもらっています。会社の方向性を一緒に議論しながら、計画に落とし込むことにしています。
社員に同質性を求めるのではなく、それぞれの考え方を尊重しながら、同じ目標に向かって力を集中できるプロ集団を目指したい。それによって、社員にとって、より働き甲斐のある、より誇れる会社にしていきたいと思います。
写真提供:〔株〕クラレ
クラレは、卒業で役目を終えたランドセルをアフガニスタンの子供たちにプレゼントする活動を展開している。2004年からの17年間で、13万4000個のランドセルが海を渡った。
なぜランドセルかと言うと、ランドセル用素材として7割のシェアを占める人工皮革「クラリーノ」がクラレの製品だからだ。
「大々的に宣伝はしていませんが、小さくても長く続けることが大事だと思っています。創業家の精神を大事にしながら、色々な形で世界に貢献していきます」(川原氏)
更新:11月24日 00:05