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すぐやる人は「仮」の使い方が上手い? 先延ばしがなくなる「10秒アクション」

2021年02月24日 公開
2023年02月21日 更新

大平信孝(アンカリング・イノベーション代表)

 

「仮決め仮行動」で行動量を増やす

本来なら、行動した後に「さらにうまくいくにはどうすればいいか?」と試行錯誤したほうが早くうまくいくのに、「やっぱりやめておいたほうがいいかな、でも何もしないのも良くないし、どうしようかな」と迷っているだけで時間が過ぎてしまうのです。

これって、もったいないと思いませんか。こういう方は、「仮決め仮行動」から始めましょう。具体的には、「まず仮で決める」という思考習慣をおすすめします。

たとえ十分な判断材料が揃っていなくても、判断するのに十分な状況になくても、とりあえず「仮」でいいので決断して行動する。ただし、あくまでも仮の決断なので、違和感が出てきたら軌道修正すればいいわけです。

もし一度決めたことが「最終決断」だとしたら、絶対間違えてはいけないし、必ず正しい判断をしないといけないので、決断のハードルが上がってしまいます。でも、あくまでもお試し行動をするための仮の決断であれば、ハードルが下がるのです。

 

最初の一歩のハードルを極限まで下げる

ただ、仮決め後に実際に「仮行動」することが重要だとわかっていても、なかなか行動に着手できないときもあります。

例えば、「本を1章読む」「週に3回30分のジョギングをする」「毎日英語の問題集を10問解く」「毎日15分筋トレする」「週末は自炊する」などと仮決めしたとします。

これで動ければいいのですが、いざ着手しようとするときに、「めんどくさい」「まあいいか、明日にしよう」と流されてしまうことがあります。ではどうすれば、確実に「仮行動」できるのでしょうか――実のところ最初の一歩のハードルを、極限まで下げればいいのです。

 

「10秒アクション」から始めてみる

例えば、「30分ジョギングをする」だと、「せっかく走るのだからちゃんと走りたい」という意識が芽生えます。そして、30 分走るということをちゃんと実行するには条件がある程度そろっていないとできないと頭で考え始めるわけです。

その結果、「寝不足の状態で無理したら仕事に差し障りが生じるかもしれない」「体調が良くないし、今日は雨だからやめておこう」「ジョギングウェアを洗い忘れたから今日は無理」「ジョギングするよりも溜まった家事をしないといけない」「寒いから風邪をひいてしまうかも」などと行動しない言い訳を考え出し、「よし! 今日はやらない!明日にしよう!」となってしまうというわけです。

そこで、「10秒アクション」の登場です。10秒アクションとは、文字通り「10秒あればできる具体的行動」のことです。30分ジョギングであれば、「最初の10秒はどんなことをするのか?」を考えてみるのです。

例えば、「ジョギングウェアに着替える」「ジョギングシューズを履く」「アキレス腱のストレッチをする」「外に出て深呼吸する」といったことです。

これらの10秒アクションであれば、雨が降っていようが眠かろうが、未完了事項を抱えていようが、どんな状況にあっても10秒もあれば必ず実行できます。

10秒アクションは、仮行動に着手する際の心理的ハードルも物理的ハードルも両方とも下げてくれます。「疲れているけど……10秒ならいいか、靴を履くくらいならいいか」となるのです。

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