2021年02月05日 公開
2023年02月21日 更新
では、1年以内に株価が3倍になりそうな株を、どうやって見つけるのか。『会社四季報』をパラパラめくって探しますか?
それは、はっきり言って時間の無駄です。四季報には上場企業の情報がまとまって掲載されていますが、小型株に集中投資しようとする人には、不要な情報が多すぎるのです。
投資対象になるのは、上場して年月の浅い小型株が中心です。上場して日が浅いほうが、市場から調達した資金を活用して事業を拡大する伸びしろが大きくなります。「上場して5年以内」を目安にするとよいでしょう。
さらに、その会社のビジネスモデルを理解するには、自分が詳しい業界やジャンルのほうが有利です。そう考えると、投資対象を探す範囲はある程度限られてきます。有望株を見つけるには、世の中の動きに注目するとよいでしょう。世の中の変化が、株の動きにダイレクトにつながっているからです。
最近の例でいうと、トレーニングジムのRIZAPは皆さんもご存知ですね。「2カ月で結果にコミットする」というCMを見てすぐ、私はRIZAPの株を買いました。この商品は絶対に流行ると思ったからです。それから1年で、株価は7倍になりました。
翻訳端末の「ポケトーク」は、明石家さんまさんが出演するCMが有名でした。あの商品が発表された日に、私は「これは皆が欲しい商品だな」と思って、発売元のソースネクストの株を買いました。これも1年で5倍になりました。
上がる株とは、「世の中に対して価値を提供できている会社」の株です。では、「価値」とは何かというと、「私たち消費者が欲しいと思うサービスや製品を提供すること」です。価値を提供できている会社は、株価が上がりますし、提供できていない会社は、株価が下がります。これが原理原則です。
ただし、上がる株でも、「買い時」と「売り時」には注意が必要です。「買い時」は、商品やサービスがこれから流行ると実感したタイミングです。ゲームなら、周りの友達や子どもの多くがそのゲームで遊んでいるとか、電車内でそのゲームを遊んでいる人を見かけることが増えたときは、買い時です。
また、テレビCMが始まったばかりのタイミングも買い時です。テレビCMを打ち始めたということは、投じた広告費以上に売上や利益を確保できる自信があるからです。
反対に、「売り時」は、商品やサービスが十分有名になったと実感したタイミングです。例えば、「一人RIZAPしてきた」のように、日常会話でも使われるほど定着した商品やサービスは、新規顧客の伸びが鈍化します。
市場規模に対して、店舗数やダウンロード数が飽和状態に近づいてきた商品やサービスも、成長の伸びしろが厳しくなります。
そうなると、敏感な投資家が株を売り始めるため、株価が崩れてきます。売り時を判断するには、アプリのダウンロード数や実店舗の店舗数を注意深く見ていくとよいでしょう。
上がる株について補足すると、実態を伴わず、期待値だけで上がる株もあります。最近では、新型コロナウイルスの流行で、マスクメーカーの株価が1カ月で6倍に跳ね上がりました。時価総額30億円の会社が、なんと200億円になったのです。
でも、考えてみてください。増えた分の170億円の価値を提供するには、1枚数十円のマスクをどれだけ売ればいいのでしょうか。170億円もの上昇は明らかに期待先行です。
期待だけで上がる株は、期待が崩れれば株価が暴落します。本業のあるビジネスパーソンは、急激な変化に対応できないリスクが高いので、期待値だけで値段が上がっている株への投資はあまりお勧めはしません。
更新:11月22日 00:05