2021年01月12日 公開
2023年02月21日 更新
営業における基本は、やはり商談中のセールストーク。お客様ごとにトーク内容を変えることが、“売れる営業”の条件に思われがちである。しかし、営業コンサルタント会社の代表・川村和義氏は「1パターンのトークをブレずに究めていくべきだ」と語る。
一流営業パーソンとして、長期的に売り続けるためには、どうすればいいのだろうか?川村氏に聞いた。(取材・構成:桃山透)
※本稿は、『THE21』2021年1月号(PHP研究所)より、一部内容を抜粋・編集したものです。
具体的に、どういう営業をすればお客様がファンになってくれるのかと言えば、唯一の正解はありません。なぜなら、お客様は一人ひとり違うからです。
そのため、「お客様によって営業の仕方を変えるべきだ」と言う人もいるのですが、私はその必要はないと考えています。私自身、相手が社長でも、会社員でも、医者や税理士、弁護士でも、年配の方でも、若い方でも、基本的に同じように営業をしてきました。
相手によって営業の仕方を変えられるほど器用な人は、ほとんどいません。大切なのは、1パターンでいいので、ブレずにそれを究めていくこと。そして、どんなお客様に対しても全力を尽くすことです。
セールストークも丸暗記してください。
丸暗記と言われると違和感を覚える人もいるでしょうが、とても重要なことです。「お客様がこう話したら、こう答える」ということをすべて頭の中に入れておき、考えなくても身体で反応できるくらいにしておくこと。それによって、お客様や商談の状況を客観的に見る余裕ができます。
セールストークを思い出しながら話しているようでは、自分が思うように商談が進んでいるのか、お客様が今、何を考えているのかなどに気を配ることができません。これでは、お客様がファンになってくれるどころか、契約に至ることも難しいでしょう。
一つのパターンを究めると言っても、クロージングだけは様々なシナリオ(反対処理)を想定し、状況に応じて適切に反応できるように事前に準備をしておくことが大切です。
例えば、クロージングのときに、「ちょっと考えさせて」と言われることがよくあります。
生命保険営業の場合、「高い買い物なので」「お金の流れを整理してから」などと言われたり、「今、決めないといけないんですか?」と言われたりと、「ちょっと考えさせて」だけでも20パターンほどあります。
そのそれぞれについて、ブーメラントークを準備しておき、考えなくても話せるように丸暗記するのです。
ちなみに、「ちょっと考えさせて」と言われても、慌てることはありません。ただ、場の空気が悪くなっているので、その空気を変える必要があります。この場合、笑いを取るなどして空気をかき混ぜ、良い空気にしてから、再びクロージングに入ってください。
テレアポからプレゼン、ご契約、そして紹介入手まで、各プロセスについて、一つでいいのでセールスの型を持っておけば、困ることはありません。
更新:11月24日 00:05