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【アスリート×社長特別対談】「挑戦」を楽しめる人だけが成功する

2020年09月10日 公開
2020年09月10日 更新

川崎宗則(プロ野球選手)×松本直樹(松本興産株式会社代表取締役)

選手と監督がワイン片手に議論!?

松本 私も、上からの押しつけは大嫌いです。会社に入ってからの20年間、社員が自由に発言し、チャレンジできる環境作りに邁進してきましたが、やっとフラットな関係ができてきたように思います。

川崎 アメリカに行って驚いたのが、監督と選手のフラットな関係です。日本では監督・コーチが偉くて、選手はただ聞くだけ。アメリカでは選手も監督やコーチにどんどん意見を言い、ミーティングでも積極的に発言する。「あのピッチャー、誰それとつきあっているらしいぜ」みたいな話まで出てきますが(笑)。

松本 学校教育の問題だと思うのですが、日本人は自発性に欠けますよね。選手としても、フラットな関係のほうがやりやすいのでは?

川崎 ええ、自分が何をすればいいのかがはっきりしますよね。シカゴ・カブス時代、当時のジョー・マドン監督から、マイナー降格を監督室で通告されたことがあります。彼の監督室はすごくて、高級なワインが山ほどある。そこで、「わかった、ジョー。この中で一番高いワインを飲ませてくれたら落ちてやる」と言ったら、「いいよ」と(笑)。そして、飲みながら、どんな選手を求めているのか、どんな力を伸ばしてほしいか、腹を割って話し合ったのです。

松本 まさに、トップと現場の理想の関係ですね。

 

努力した先にやっと「小さな光」が見える

松本 もう一つお聞きしたいのが、「殻」を破った経験です。私は親の跡を継いで社長になり、当時「無謀」と言われていた自動車業界への新規参入を決断しました。そこでかなりの苦労をしただけに、川崎選手はどのように殻を破ってきたのか、お聞きしたいのです。

川崎 僕にとって一番大きな壁は、プロ野球に入ってすぐのときでしたね。鹿児島の田舎の高校生がいきなりプロの世界に入り、周りにいるのは秋山幸二さんや小久保裕紀さん、松中信彦さんという大先輩。もう、化け物に見えましたよ(笑)。練習もきつくて、ノイローゼのような状態に。でも、田舎者なので遊び方もわからず、ひたすら練習していたんですね。そうしたら、6月くらいになってちょっとだけ「光」が見えたんです。正直、何かはわからないのですが、「これでやっていけるかもしれない」と思い、あとはそれに向けてがむしゃらに進んでいきました。

松本 その感覚、よくわかる気がします。最初はひたすら努力して、その先にやっと光が見えてくる。私にとってのそれはまさに、新規参入を成功させるまでの2年でした。その頃の苦労があるから、今でも頑張れるというのはありますね。

川崎 松本社長はすごい親孝行ですよ。僕も川崎電気という小さな会社の息子で、工業高校で第二種電気工事士の資格も取りました。結局、ドラフトで指名されたので跡を継がず、会社も閉めてしまいました。

松本 いえいえ、川崎選手のほうがずっと親孝行ですよ。でも、私も工業高校でしたし、なんだか親しみを感じますね。

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