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地価はどうなる? 不動産投資家の抱えるリスクは? 藤巻健史氏が語る「不動産の未来」

2020年08月21日 公開
2023年02月21日 更新

藤巻健史(経済評論家)

「マンション経営」をしている人は、最悪に備え早めに準備を!

すでに借金をしてマンション経営などをされている人もいるかと思います。そうした人にご注意いただきたいのは、ハードランディング時に、借りている人が失業して家賃を払ってくれなくなるリスクです。すると、銀行にローンの元利金を返せなくなり、担保として物件を差し押さえられてしまうのです。保証会社に借家人の連帯保証をさせていたとしても、ハードランディングで家賃を払えないケースが多発すれば、保証会社自体が潰れてしまう危険もあります。

そうしたリスクを考えると、全額を不動産投資に充てるのではなく、一部をヘッジ用としてドル資産を買っておくことが重要になります。例えば1ドル110円で買ったドルを1ドル=1000円で売ってその利益で元利金を払い続けることで、不動産を差し押さえられるような事態を防ぐのです。

ハードランディング時を生き延びられさえすれば、むしろ状況は一変します。何しろ、ハイパーインフレにより借金が実質的に棒引きされることになるからです。さらに不動産価格も急騰することになるので、まさに万々歳です。

不動産の話でもう一つ、忘れてはならないのが「住宅ローン」です。もし、あなたの住宅ローンが変動金利型ならば、すみやかに固定金利型に切り替えることをお勧めします。

インフレが起きると、住宅ローンの変動金利も一気に上昇することになります。もし、1%の変動金利で借りていた住宅ローン金利が5%に上昇したとしましょう。ざっくりした計算ですが、残高が3000万円あり、20年間で返すとしたら、支払額が総額で1400万円、月にして6万円も増えてしまいます。給料や年金も同じように上昇すればことなきを得ますが、その保証はありませんし、給料や年金が追いつく前に資金がショートしてしまえば、自宅を手放すしかありません。

もちろん、変動金利よりも固定金利のほうが金利は高くなるでしょう。ただし、それでも現在の長期金利は歴史的な低金利であり、そんな額でずっと支払いを続けることができるなら、こんなにお得なことはないのです。また、金利低下時に固定金利を変動金利に変えると大きなペナルティが発生しますが、変動金利から固定金利への変更は事務手数料くらいのはずです。

もちろん、せっかくの低金利をギリギリまで享受したいという気持ちはわかります。ただ、切り替えが遅くなるほど固定金利の利率も高くなっているはずで、そのスピードについていけない可能性は大いにあります。現時点では月々の返済額は当然増えますが、「安心を買う」保険と思って、早めに切り替えておきましょう。

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