2020年07月13日 公開
2023年02月21日 更新
もう1つ、長く続けられているポイントがある。
「目標を低くすることです。例えば、『3週間で3回、チームメンバー全員が投稿すれば、スターバックスのチケットがもらえる』というようなルールを設けて始めました」(岩崎氏)
長く続けていると、どんな投稿が多く見られるのかもわかってきて、フォロワーの増やし方が上手くなってくる。こうした取り組みの結果、社員のアカウントの総フォロワー数は25万人に達した。フォロワーから社員へInstagramのダイレクトメッセージが届き、直接交流することも多いそうだ。
「新型コロナウイルスが流行してからは、毎週金曜日の14時に、Instagramの公式アカウントでインスタライブも行なっています。開発担当者などが出演して、製品の説明をするものです。その開催告知にも、社員のアカウントが大いに役立っています。時間帯の問題でリアルタイムでの視聴者はそれほど多くないのですが、アーカイブを残していて、そちらは平均1,500~1,600人に視聴していただいています」(小林氏)
インスタライブの様子(左)と、インスタライブを告知するInstagramの投稿
フォロワー数が増えたことは、売上にもつながっている。社員のアカウントのプロフィール欄にはURLが貼られており、そこからサンプル購入の申し込みなどができるのだ。以前は、全社員のアカウントに同じURLが貼られていたが、今年5月からは個人ごとにURLを変え、誰のアカウントを通じて購入したかがわかるようにした。そして、購入につながったアカウントを運用する社員には、成果報酬が支払われる。自分がどれだけ会社に貢献したかがわかり、モチベーションにもつながっているという。
「やはり、フォロワー数が多いアカウントを通じて購入されるお客様の人数が多いです。ちなみに、先日行なった施策の際に最も高い5万円の成果報酬を得たのは、今年4月に入社したばかりの社員でした」(小林氏)
Instagramを通じて購入した顧客には、当初の目的通り、新規が多いそうだ。
「当社は主に女性向けの化粧品を扱っていますが、社員のInstagramは社員の好きなことを投稿しているので、フォロワーには男性も多くいます。今後、男性向けのブランドの立ち上げも検討していているので、男性のフォロワーにもアプローチできるのは大きなメリットです。
社員全員がインスタグラマーになったことで、社員同士のコミュニケーションが活性化するという副次的な効果もありました。以前は、職場の外での社員の姿は、あまり知りませんでした。けれども、Instagramを始めたことで、『想像もつかなかったけど、編み物が趣味だったんだ』などという発見があったんです。すると、職場での会話もはずむようになりました」(岩崎氏)
更新:11月22日 00:05