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日本の常識は捨てよ!アフリカ起業で成功する7つのコツ

2020年02月06日 公開
2020年04月07日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(51)石澤義裕(デザイナー)

もし、アフリカ起業の現地スタッフが10人の中学生だったら

アフリカは物価が安いぶん、投資を抑えられて成功しやすそうなイメージです。

でもよく考えてください。

人類の発祥地でありながら最後の開拓地と呼ばれる伸び代は、伊達じゃないのです。

そんな簡単には、儲けさせてくれません。

現地スタッフは、想像以上に手強いです。

 

彼らの働きぶりを1行にまとめると、

「放課後、教室の掃除をする中学生」です。

もし掃除当番が10人だったなら、

1 1人は、一所懸命に箒をかけ

2 4人は、お喋りに夢中でお掃除少々

3 2人は、完全にお喋りだけ

4 2人は、ゴミを丸めてサッカーか野球

5 1人は、どこかへ行ったまま帰ってきません

厳しい先生が見張っていれば仏頂面でも働きますが、先生がトイレに行くと一瞬にして緩みます。

タンザニアの宿はほかに宿泊客がいないのに、いつも宴会か!ってくらい騒がしく賑やかでしたが、オーナーがいるとお通夜になりました。

アフリカ起業のTIPSその1は、常に手綱を締めよ!です。


モロッコの魚屋さん。朴訥でいい人なんですが、魚介類をさばくのだけは苦手みたい。怪我をしないでくださいね。

 

指示はとにかく細かく!

アフリカには、暗黙の了解があります。

命じられたこと以外は、決してしません。

「一を聞いて十を知る」なんて、経営者に都合のよい言葉はないです。

逆に、「一を命じて半分で喜べ!」って感じの寛容さが求められます。

マラウイの工事現場では、朝に「その辺、掃いといて!」と言われたスタッフが、夕方になってもまだ箒をかけていました。

モザンビークの宿では、毎朝3時間もかけて庭を掃きますが、ペットボトルや空き瓶はいつまでたってもそのまま。文字通り、掃くだけという徹底ぶり。

TIPSその2は、「業務はミジンコまで細分化して、細かく指示すること」

掃除しといてね!では伝わりません。

「庭を箒がけしてください」

これでも言葉足らず。汚れの少ないラクな場所しか箒をかけないでしょう。

「庭はこっちからあそこまで」

範囲を明確にしなくてはいけません。追加事項として、

「空き瓶はゴミ箱へ捨ててください」

これでは、ペットボトルは放置されます。ゴミをよく観察して、お菓子の袋とか、段ボールとか、鼻をかんだテイッシュとか、現場にあわせてこと細かく指定する必要があります。

最後に、

「ゴミ箱がいっぱいになったら、ゴミ捨て場に運ぶこと」

さもないと、ゴミ箱がエライことになります。

TIPSその3は、「言わずもがなこそ、はっきり言え!」

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坂道でジャッキをかけるレソト人 >

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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