2020年01月21日 公開
2023年05月16日 更新
相続税は「自分には関係ない」と思い込んでいる人も多いかもしれない。しかし、土地の評価額などによっては思いがけず相続税がかかることもあり得ると、税理士の角田壮平氏。相続税の基礎知識と、節税対策について詳しくうかがった。
相続税とは、故人の遺産を受け継いだ相続人に課せられる税金(国税)のことですが、すべての相続について必ず課税されるわけではありません。死亡者数に対する相続税の課税件数の割合は、8.3%(2017年)。つまり、被相続人100人に対して8人ということになります。
なぜ、相続税がかからないケースが大半なのかというと、相続税はある程度大きな金額の財産を所有する人にのみ課されるます。その理由は、基礎控除があるからです。相続税の基礎控除は、以下の計算式で算出します。
3,000万円+法定相続人の人数×600万円
つまり、法定相続人が一人の場合は3,600万円まで、五人の場合は6,000万円までは非課税ということになります。
また、配偶者の場合は、「配偶者控除」という税額軽減が適用され、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか高い方が控除されるという優遇措置もあります。
こう聞くと、「相続税は自分には関係ない」と思う方が多いと思いますが、都内の一等地に不動産を所有している場合など、「すべて計算してみたら控除額を超えてしまった」というケースも見受けられますので、きちんと財産の現状把握をしておくことは誰にとっても必要なことです。
相続税の納付が必要な場合、相続開始日(亡くなった日)の翌日から10カ月以内に税務署に対して申告書を提出します。なお、相続税の納税期限も申告書提出期限と同様、亡くなってから10カ月となりますので、納税資金の準備も忘れないようにしましょう。仮に、納税資金を準備できない場合には、分割払い(延納)や不動産等現金以外の財産で納付(物納)という方法も一定の要件を満たせば選択が可能です。
更新:11月21日 00:05