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「顧客の課題」をうまく聞き出す6つの方法

2019年10月10日 公開
2023年02月24日 更新

大塚寿(営業サプリ)

できる営業パーソンは「ストレートに課題を聞いたりしない」

営業活動において最も重要なのが「顧客の課題をヒアリングすること」だとは営業パーソンの誰もが知っている。

しかし、よほどの人間関係や目に見える実績がない限り「実は……」と事実を話してくれる相手は少ないので、それが聞き出せるか否かが営業パーソンの業績の明暗を分けることになる。

ところが、自然に相手が話し始めてくれる聞き方さえ知っていれば、誰でも簡単に顧客の課題をヒアリングできるようになるのだ。

 

「御社の課題は何ですか?」は使用禁止

そもそも初対面の相手やそれほどの人間関係がない顧客に対し、「御社の課題は何ですか?」と尋ねた瞬間、相手は心の中で「なんでそんな重要なことを初対面の、しかも営業パーソンに話さなければならないの?」と条件反射的に思ってしまうものだ。

要は「御社の課題は何ですか?」という聞き方は、きわめて“上から目線”なので、顧客のほうが話を聞きたくて、訪問を依頼したケース以外では使ってはいけないフレーズなのだが、ここが分かっていない営業初心者がかなり多い。

 

間違いを起こさない6つの質問の仕方

課題を聞き出すのに、「御社の課題は何ですか?」というフレーズが使えないとなると、どう聞けばいいのか。

ここでは、“上から目線”にならない6つのヒアリング方法を紹介しておきたい。

 

1 オープンクエスチョン――最もオーソドックスな手法

これは話が発展しやすい間口の広い問いかけで、もっともオーソドックスな聞き方になる。

例えば、「完全に売り手市場が定着しましたが、昨今の新卒採用に関しまして、どのような課題感をお持ちでしょうか?」といったヒアリング方法だ。

上で使用を禁止した「御社の課題は何ですか?」という質問の前に、下線部のような1フレーズを加えるとどうだろう。

“上から目線”度が解消しているとは思わないだろうか。これが超文脈依存言語である日本語を上手に操る技術だ。

いっておくが、これは「コミュニケーションセンス」ではなく単にそれを知っているか、知らないかだけの「技術」なので、知っていさえすれば誰でも使いこなせるようになる。

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2 Yes or No――相手の意図が即座に明確に >

著者紹介

大塚 寿(おおつか・ひさし)

エマメイコーポレーション代表取締役

1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。

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