2019年09月03日 公開
2023年02月24日 更新
このような「メタ思考」を最も苦手とする人は以下のような人たちです。
・感情にまかせて行動する人
・思い込みが激しい(ことに気づいていない)人
・常に具体的でわかりやすいものを求める人
・(根拠のない)自信満々の人
・他人の話を聞かずに一方的に話す人
・「自分(の置かれた環境)は特別だ」という意識が強い人
……
このような人たちは先述のメタ認知ができていない状態ということになります。ところが、往々にしてこのタイプの人たちは行動力があり、それなりの実績を上げて地位の高い人も多く、そうなるとさらにこれらの傾向に拍車がかかってきます。その状態に入ったらもはやメタの視点で考えるのはほぼ不可能と言えます。
残念ながら、間違ってもこの種の人たちが「メタ思考ができるようになろう」と思うことはありません。「気づかない」ことが最大の問題である以上、その手の気づいていない人たちは、自分の視野の狭さにすら気づくことはないのです。
逆に言えば、この記事をここまで読んだ皆さんは気づいた人たち、あるいは自分が「気づいていないことに気づいた」人だということになります。一度その構図に気づいてさえしまえば、あとは「どうやってやるか」の問題です。
拙著『メタ思考トレーニング』は、そういうニーズに応えようとするものです。思い込みや視野の狭さから脱して、自由に、意味のない常識や慣習、前例にとらわれることなく、あるべき姿や理想の社会を実現するための方策を考えたい人におくります。
この本ではメタ思考をトレーニングするために演習問題を多数用意しています。例えば、
●上司から「ドローンについて調べて報告して」と言われたら、次に取るべきアクションは何か?
●お寿司以外の「回転○○」を考えよ
●「昔ながらの喫茶店」の競合はどこか?
●「信号機」と「特急の停車駅」の共通点は?
●「経理業務」と「スポーツ審判」の仕事上の共通点は?
●「コピー機」と「エレベーター」の共通点は?
●「タクシー」と「土産物屋」の共通点は?
といったような問題です。
こうした問題を解き、自分の頭で考えていくことで、メタ思考を実践レベルにまで落としていくことを目標としています。ですので、ぜひ自分で問題の答えを考えながら読み、その後に解説を読んで自らの考え方と比較した上で、応用問題でさらにその考え方を定着させてもらいたいと思います。
更新:11月22日 00:05