2019年08月22日 公開
2023年03月02日 更新
資格試験の勉強をしようと本気で思ったら、まずは参考書や過去問集を買おうと考えるだろう。しかし、試験によっては様々な参考書が存在して、何を選べばいいのか迷うかもしれない。自身も数々の資格を取得し、指導経験も豊富な並木秀陸氏に、効率的な参考書・過去問集の選び方と使い方を聞いた。
資格試験に挑む人がまず直面するのは、「どの参考書を選ぶか」という問題ではないでしょうか。
ひと昔前であれば、書店の店頭でじっくり選ぶのが一般的でしたが、便利なインターネットが普及した結果、ネット書店はもちろん、口コミサイトや体験談を掲載したブログなど、情報を得る手段が多様化しました。
とはいえ、私は、やはり直接書店に行って選ぶことをお勧めしています。なぜなら、万人にとってベストな参考書は存在しないからです。
ネットの「ベストな参考書」という情報を鵜呑みにして、手元に届いてみたら「思っていたものと違う……」ということになるのは防ぎたいもの。参考書が合っていないだけで「自分にはムリなんだ」と思ってしまい、試験にチャレンジする気持ちが萎えてしまう人も少なくありません。
では、書店に行って、どのように選べばいいのか。
まず、大型書店ではなく、中規模書店に行ってみてはいかがでしょうか。
大型書店の良いところは、数多くの参考書の中から選べること。しかし、これは裏を返せば、たくさんありすぎて選ぶのが大変ということでもあります。その点、中規模書店であれば、売れ筋のものを厳選して置いていることが多く、あらかじめ選択肢を絞ることができます。
また、書店であれば、実際に手に取って、パラパラと中身を確認できます。複数の参考書の同じ項目のページを比べてみたり、「はじめに」の部分を読んで文章がわかりやすいかを確かめたりして、自分にしっくりくるものを選びましょう。
そして、もう一つのポイントは、薄めの参考書を選ぶこと。
勉強をスタートするときは、誰もが「やるぞ!」という情熱に燃えているので、分厚い参考書を選びがちですが、これは危険です。いざ読み始めると、やる気が減退していき、長続きしないことがほとんどだからです。
「分厚いほうが、情報量が多いから良いのではないか」という質問もよく受けますが、実は、資格試験というものの多くは、出題範囲全体の3割の内容で7割の点数を取れるようになっています。ですから、どんな参考書でも、絶対に外してはいけない3割については必ず収録されているのです。残りの7割は、出題されない可能性が高い、難易度の高い内容です。
自分にぴったりの薄めの参考書を手に入れたら、期間を区切って、ひと通り読破しましょう。資格によりますが、国家資格であれば、10日で区切るのがいいでしょう。
そのときのポイントは、「読み飛ばす」ことです。初めから最後まで熟読して、すべてを理解しながら読み進める必要はありません。
参考書を10日で読破することの一番の目的は、その資格の「全体像」を把握することにあります。ですから、「難しいなあ」「わからないなあ」と思いながらでも、最後まで読み通すことが肝心。参考書をいくら理解したところで、問題が解けないと意味がないと割り切って、先を急ぎましょう。
更新:11月25日 00:05