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【特別対談】危機すら笑いに変える!銚子電鉄の「電車を止めない」経営論

2019年10月17日 公開
2023年01月11日 更新

竹本勝紀(銚子電気鉄道社長),寺井広樹(⽂筆家/日野プロダクション代表)

「ネーミングライツ」からすべては始まった

竹本勝紀

──経営の厳しさを「自虐」に変えるそのたくましさ、頭が下がります。元々、竹本社長と寺井さんとの出会いは?

竹本 銚子電鉄では2015年に「ネーミングライツ」の募集をしたのですが、それがきっかけです。駅ごとにスポンサーを募集し、その名称を愛称として駅名につけるというもので、大きな反響を呼びました。
そんな中、早稲田ハウスさんという会社から、「ありがとう」という駅名をつけたいというお申し出を受けたのです。社長が千葉県出身で、地元を応援したいとの思いからです。こうして、終点である外川駅が「ありがとう駅」となりました。

寺井 この話を新聞で読み、すぐに銚子電鉄に電話をかけました。実は私は、涙を流すことで心の緊張をほぐす「涙活(るいかつ)」という活動をしているのですが、この話に感動して、「ありがとう駅を『感涙駅第1号』として認定させてもらいたい」と申し出たのです。

竹本 寺井さんの団体名は「全米感涙協会」。なんで全米なのかと聞いたら「全米が泣いた」というフレーズから取ったのだと。思わず「全米か」と突っ込みましたよ(笑)。ただ、結構大きな団体なんですよね。

寺井 会員数は1万5000人ほどです。会長が私で、副会長はクリストファーというアメリカ人です。

竹本 その人、実在するの?

寺井 もちろん実在してますよ(笑)。今度、来日する予定です。

 

テレビでも話題の「離婚式」って何?

竹本 そんな話をしているうちに意気投合し、最初に手がけたのが先ほどお話しした「お化け屋敷電車」。イベント自体はその前年にスタートしたのですが、事情があり続けるのは難しいという話になっていた。そんなときに寺井さんと出会った。

寺井 実は私は怪談蒐集家でもあり、ホラーを観ることでストレスを解消する「ホラ活」もやっています。

竹本 寺井さんは本当にいろいろな活動をやっていますよね。最近では「離婚式」が話題になりました。

寺井 結婚式があるなら離婚式があってもいいのでは、というもので、仲人ならぬ「裂人(さこうど)」を立てて、「旧郎旧婦」が入場し、二人が出会ってから離婚に至るまでの経緯を淡々と述べたあと、お色直しならぬ「お色崩し」をするという……。

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