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本気で働き方改革を進めない、サラリーマン社長の罪

2019年04月13日 公開
2023年03月07日 更新

高岡浩三(ネスレ日本代表取締役社長兼CEO)

若手社員にも「経営」の意識を

――マネジャークラスの意識を引き上げる一方、高岡氏は一般社員の意識改革を行なっている。その核となるのが、「イノベーションアワード」だ。これは、年1回、全社員からイノベーションのアイデアと、それを実行して検証した結果を募集するコンテストで、次のような狙いがあるという。

 「それは『若い頃から、経営改革ができるような力を磨いておいてほしい』ということです。これからの経営に、イノベーションは欠かせません。

 ただ、仕事のできるハイパフォーマーが必ずしも、良いイノベーターとは限らないでしょう。将来彼らが社長や役員になったとき、訓練もしないまま急にイノベーションは起こせませんから、今から練習してもらうのです」

――経営に携わらないビジネスパーソンも、「イノベーション力」は、誰でも磨くべきだ、と高岡氏は言う。

 「近い将来、AIが発達してきたら、ホワイトカラーの仕事はどんどんなくなっていくでしょう。仕事が得られるのは、AIにできない仕事ができる人だけ。路頭に迷いたくなければ、今から考える訓練をしたほうがいいですよ」

 

《取材・構成:杉山 直隆/写真撮影:清水 茂》
《『THE21』2019年4月号より》

著者紹介

高岡浩三(たかおか・こうぞう)

ネスレ日本〔株〕代表取締役社長兼CEO

1960年、大阪府生まれ。83年、神戸大学経営学部卒業後、ネスレ日本〔株〕に入社。各種ブランドマネージャーを経て、「キットカット受験生応援キャンペーン」を成功させる。後に『ネスカフェ アンバサダー』など新しいビジネスモデルの構築を通じて、高利益率を実現している。著書に『ネスレの稼ぐ仕組み』(KADOKAWA)など。

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