2019年04月01日 公開
2023年03月10日 更新
読者の中には、学校で英語を学んだ頃はリスニングが軽視されていたこともあり、リスニングに課題を感じているという人も多いだろう。英語学習コーチの谷口恵子氏によると、リスニングができない原因は一つではないという。複数ある原因を一つずつ解消し、「英語耳」を作る方法を教えてもらった。
「英語の中でも、特にリスニングが大の苦手!」という人は多くいます。なぜ、日本人は、リスニングを不得手とするのでしょうか。その理由は、実は一つではありません。
最も大きな原因は、英語の発音に慣れていないことです。日本の英語教育ではリスニングやスピーキングが軽視されていたため、「書かれた英文は読めるが、音は聞き取れない」という状態になっている人が多くいます。
また、英語は速く話されると音の変化が起こりやすく、聴き間違いや聴き落としの原因になります。
さらに、「いったん頭の中で日本語に訳してから理解する」という聴き方も問題です。聞こえた英語を、英語のまま瞬間的に理解するのではなく、日本語に訳して理解するのでは、時間がかかります。そのために、話されるスピードに追いつけなくなるのです。
出てくる単語や表現を知らないことも、原因として挙げられます。これは、「聞こえるけれども、わからない」状態です。
こうしたいくつもの壁を、すべてクリアできる練習法があります。それが、私が考案した「タニケイ式シャドーイング」です。
シャドーイングとは、流れる音声のあとにぴったりとくっついて、そのまま真似をして声に出すトレーニングです。もとは同時通訳者の訓練として使われてきた方法とあって、シャドーイングだけを行なうのは一般の学習者には少々困難。いきなりシャドーイングから始めて、難しすぎて挫折するケースは少なくありません。
そこでタニケイ式では、七つのステップを踏んで、最後にシャドーイングをする、という方法を取ります。
各段階は、「聞き取れない原因」を一つひとつ潰すステップです。それは同時に、発音や速さに慣れ、英語を英語のまま理解する「英語耳」を育てるプロセスでもあります。
それを経てからシャドーイングをすることで、「聴ける・話せる・理解できる」レベルにまでなることができるのです。
更新:11月22日 00:05