2019年02月20日 公開
2023年03月10日 更新
このようにして覚えるべきことを絞り込んだうえで、私がお勧めしている記憶術の一つに、「2点暗記法」があります。これは、「こたえ(覚えたい情報)」と「なぜ(理由)」をセットにして図解する方法です。
たとえば、「こたえ」が「第三順位の相続人である兄弟姉妹には、遺留分は認められない」なら、「なぜ」は「兄弟姉妹は故人から近しい存在(故人の直系)とは言えないため」となります。
情報そのものだけでなく、理由をセットで覚えることによって、肝心の情報を忘れてしまったとしても、逆から考えて思い出せる確率が高まります。
覚える情報を最小限に絞る一方で、大事な情報は孤立させないことが、記憶のネットワークを形成させる手助けになるのです。
覚えるべき内容を絞り、キーワードを意識し、セットで覚える。このポイントを押さえれば、短時間で集中して覚えられると思います。しかし、それでも一度で完璧に覚えられる人はいません。何度も繰り返し情報に触れること――反復こそ記憶定着のカギとなります。
反復にお勧めなのは、オーディオ教材です。通勤時など「ながら学習」で何度も情報に触れましょう。
オーディオ教材がなければ、自分でテキストを音読して録音し、それを聴くのも良いでしょう。「声を出して読む」ことは、それだけで黙読よりも記憶に残りやすくなります。重要な単語は指さしながら読み返したり、図解したりするなど、音声、動作、ビジュアルなど、様々な感覚を刺激しながら学習することも、記憶の定着に役立ちます。
このように、「記憶の落とし穴」に打ち勝って記憶するために必要なのは「戦略」です。ご紹介した方法を実践して、合格を目指してください。
<『THE21』2019年2月号より>
更新:11月24日 00:05