2018年10月08日 公開
2023年03月14日 更新
人間に共通して不可欠な「睡眠」。しかし、世界全体をみると国や人種などによってそれぞれ異なる傾向があるようだ。その中で日本はといえば、睡眠時間が短めで、かつ質もイマイチ!? 個人的な問題として片付けられがちな「睡眠」だが、実は文化や社会通念など様々な影響を受けている可能性がある。思い込みや習慣を取り払い、改めて自分なりの睡眠に向き合うことが、「良い睡眠」のための第一歩かもしれない。
世界各国の睡眠事情に関する調査によると、日本はOECD加盟国の中で韓国に次いで最も睡眠時間が短い。最も長いフランスに比べると約1時間も短く、特に女性の睡眠時間が短いのが特徴的だ。そして、韓国・日本以外のアジア圏も似た傾向がある。
理由については諸説あるが、1つは子育てに起因するものと考えられている。日本をはじめアジアでは、乳幼児の頃は親が添い寝し、小学生くらいまでは子どもが親と同室で眠るケースも多い。その結果、子どもの寝相に睡眠を邪魔されたり、夜泣きなどで子どもの世話をしたり、睡眠時間が削られているのではないかというわけだ。女性の睡眠時間が短いこともその裏付けといえよう。
更に日本人を含め、アジア人は子どもの頃から睡眠時間が短いという報告もある。つまり、親と一緒に眠ることで子どももまた睡眠を邪魔されているかもしれないのである。子ども用の寝室で先に寝かせるという習慣がない場合、親が起きている時間まで起きていたり、親が起き出す時間に一緒に起きてしまったり、どうしても大人の睡眠習慣に引きずられがちだ。
そして、子どもの頃に睡眠時間が短い人は、大人になっても睡眠時間が短いことが多い。その結果、日本全体で睡眠時間が短くなっていると考えられる。
日本は世界的に見て睡眠時間が少ない
表側の目盛りは平均睡眠時間(分)。出典:https://www.oecd-ilibrary.org
更新:11月23日 00:05