2018年06月22日 公開
2023年03月14日 更新
心地よく眠るための“助走”ともいえる「入眠儀式」。しかし、良かれと思ってやっていることが、逆効果になっている可能性があるとしたらどうだろう。昔から定番とされる安眠法が、実はあなたの眠りを邪魔しているかもしれないのだ。そこで、どんな入眠儀式がNGなのか、なぜダメなのかを解説する。是非とも参考にして、ご自身の入眠儀式をアップデートしてほしい。
昔から入眠儀式とされているものでも、実は科学的に見ると逆効果というものが少なくない。つまり、リラックスさせているようで、逆に血圧や血糖値、深部体温の上昇を促進させ、覚醒させてしまうというのだ。
例えば、寝る直前に飲む「ホットミルク」。牛乳には気持ちを落ち着かせるカルシウム、セロトニンに変化するトリプトファンが多く含まれているというのが、眠りに良いとされる理由だ。セロトニンは睡眠ホルモンと言われる「メラトニン」の材料となる。しかし、いずれも吸収され、体内で働き始めるまでに相当のタイムラグがある。飲んですぐに効果が出るというわけではない。
なお、入眠前の飲食は避けた方がよい。血糖値が上がり、休めるべき胃腸が働けば、体は覚醒してしまう。喉が乾くようであれば体を温める意味でも白湯を飲むのが良いだろう。
中でも「ナイトキャップ」という言葉があり、以前は入眠を促進すると考えられていたアルコールは “禁忌モノ”と認識しよう。飲むと確かに眠くはなるが、利尿作用があり、眠りを中断させる可能性がある。
またアルコールが体内で分解されて発生するアセトアルデヒドにも深い睡眠を阻害する作用があり、眠りの質を損ねやすい。お酒を飲んで寝ると「いびきをかく」「悪夢をよくみる」というのはそのためと言われている。
タバコについても、吸った直後はリラックスできても、ニコチンが脳を覚醒し、血管を収縮させ、血圧や脈拍数の上昇を促進するため、寝つきが悪くなる。
また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインも同様の覚醒効果がある。いずれも「寝る前は避けている」という人も多いが、覚醒効果はニコチンで2時間、カフェインで4〜5時間続くと言われている。深夜まで仕事をし、「もう一踏ん張り」「やった、終わった」というときにタバコやお茶で一服してはいないか、注意が必要だ。
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がんばりすぎの入眠儀式が眠れない状況を作っている!? >
更新:11月22日 00:05