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猛暑を克服する「最強の食事法」

2018年08月29日 公開
2023年03月14日 更新

吉田たかよし(本郷赤門前クリニック院長)

「脳バテ」した現代人に夏バテが追い打ち!

 さらに、間違った食生活を送ると、症状は第二段階へと進みます。たとえば、胃もたれを理由に肉を避け、消化の良さそうな蕎麦やうどんなどの炭水化物で済ませるのはNG。胃壁を健康に保つにはタンパク質と脂肪が不可欠だからです。炭水化物だけでは、丈夫な胃壁を維持できず、結局は吐き気などの症状を悪化させるのです。

 これが慢性化すると、「機能性ディスペプシア」という病気に発展します。強い胸やけや吐き気がずっと続く症状です。機能性ディスペプシアは、ストレスが深く関わる病気です。ストレスにさらされると、脳の中にある「扁桃体」が過剰に働き、不安や恐怖といったストレス感情を引き起こす。すると、脳がまいってしまい、メンタルの不調と消化能力の低下を同時に起こすのです。夏バテならぬ「脳バテ」といったところでしょう。

 その入口となりやすいのが梅雨の季節。日照低下・低気圧・高湿度といった気象条件が扁桃体を刺激し、憂ゆう鬱うつな気分を加速させます。そこへ夏本番がやってきて、消化器の活動低下に追い打ちをかけます。すると、不快な胃バテに陥るのです。

 激しい気温差も心身に負担をかけます。5度以上の変化で、自律神経は不調をきたすと言われており、梅雨明け直後にはとくに注意が必要です。しかも、現代人はエアコンの効いた室内と猛暑の屋外を行き来するため、自律神経が乱れやすい。強いストレスと自律神経に負担がかかる環境で「脳バテ」気味の現代人が夏バテを引き起こすのは、必然の結果とも言えます。

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著者紹介

吉田たかよし(よしだ・たかよし)

医学博士

1964年、京都府生まれ。灘中学校・高等学校、東京大学工学部を卒業後、89 年にNHKに入局。個性派アナウンサーとして『ひるどき日本列島』や野球実況などを担当。NHKを退職後、東京大学大学院医学博士課程修了。本郷赤門前クリニックを開設して院長を務め、受験生を専門に扱う。現在は脳医学や自律神経機能の学習への応用研究に取り組む。著書多数。

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