2018年08月09日 公開
2023年04月04日 更新
そんな生活を支えるための老後資金は、どのように作っていけばいいのだろうか。
「老後資金を考えるうえで大切なのは『公助・共助・自助』の三つからアプローチをすることです。ここで言う『公助』とは公的年金。『共助』は、退職金や企業年金など会社からのサポート。そして、『自助』とは自分で作ること。具体的には、定年後にも働く、貯蓄をする、長期の投資や個人型確定拠出年金(iDeCo)などを活用して増やしていくことです。
公的年金は今後なくなることはありませんが、実質的な年金減額は可能性が高いでしょう。自助をいかに作っておくかが、定年後のお金のピンチを回避するカギです」
そこで必要なのが増やすこと。井戸氏は、積み立てでの資産運用を勧める。
「少額投資非課税制度『つみたてNISA』や個人型確定拠出年金『iDeCo』といった税優遇&投資信託で、コツコツ積み立てて“自分年金”を作っていくことです。iDeCooの掛け金は所得控除されるので節税効果があり、さらに所得額をベースに算出される保育料や児童手当などメリットが波及することもあります」
また、定年後も働くことも重要。ただし、現役時代とは違う働き方がいいと言う。
「定年後は第二の仕事人生と考え、今と違う働き方を目指すのをお勧めします。年金という収入の土台があれば、これまでのように長時間働いてまとまった金額を稼ぐ必要はなく、時給1,000円くらいで、週の半分くらいでもよい場合もあります。その際、自分の趣味を活かすなど、好きなことや得意なことでお金を得られれば、働くことが楽しみになってくるはず。目的がお金だけでない働き方が定年後の生活を豊かにしてくれます」
≪『THE21』2018年9月号より≫
≪取材構成:麻生泰子 写真撮影:まるやゆういち≫
更新:11月24日 00:05