2018年08月08日 公開
2023年03月14日 更新
転職や独立にも、資格は大いに役立つ。しかし、「『取れば即、独立可能』な資格は少なく、資格を活かすには、キャリア形成を同時に考える必要がある」と話すのは、資格に詳しく、キャリアカウンセラーとしても長年従事した経験を持ついぬかいはづき氏だ。詳しくうかがった。《取材・構成=内埜さくら》
今は働き方に多様なモデルが生まれている時代です。四十代でも資格を取ってキャリアに活かすことは十分できますし、年齢的に遅すぎることはないでしょう。
ただし、資格を持っているからといって転職や副業が必ずうまくいく保証がないことも現実です。とくに副業の場合、資格不要の業務が大半ですし、「この資格を取ったから副業がうまくいく」ということはあまりないように思います。ネット環境さえ整っていればできるブロガーやユーチューバーなどはその代表例です。
転職や副業に資格を活かすのであれば、キャリア形成を同時に考えるべきです。まずは、これまでに培ってきたキャリアや経験の延長線上にあるキャリアゴールを目指すために、自分のキャリアを客観的に証明できる資格を取ることをお勧めします。「今までのキャリアにどんな資格をつけ加えたらキャリアの補強ができるか」と考えるのです。
たとえば人事やマネジメント関連の仕事をしてきたのであれば、国家資格のキャリアコンサルタント資格や、民間資格のキャリアコーチ資格。企業の経営に携わってきたのであれば、中小企業診断士や財務関係の資格、MBAなど。これまでのキャリアとの関連度の高さが必須条件となります。
資格を活かしていずれ独立したい場合は、その前段階の副業として資格を活用する方法もあります。
一例を挙げると、キャリアコンサルタント。資格取得後に即独立するのは難しいですが、週末などを利用して経験を積む機会は意外にあります。たとえば、資格認定団体などが募集する、就職フェア会場内のカウンセリングブースでのボランティア。これは無償ですが、他にも講座の運営や通信講座の添削、試験監督といった金銭が発生する業務を任されるケースもあります。異業種の人と出会う機会が増えて人脈作りにも役立つので、伏線的なキャリア構築にもつながります。「給料に加えて毎月数万円を確実に稼ぎたい」という副業には不向きですが、目先の収入ではなく今後のキャリアアップに有意義な働き方です。
今はリスクマネジメントの観点からも、企業に属しつつ資格を取得し、勤務しながら資格を活かす働き方が主流です。今後、ますますこの潮流は強くなるはずです。そうしてキャリアの中で取得した資格は、転職を考えるときにも役立つ場面が大いにあります。
ファイナンシャル・プランナーや社会保険労務士などは、どの職場でも重宝される資格です。確実にキャリアアップできるため、取って損はありません。他にもメンタルヘルス・マネジメント検定のように、最近の職場事情を反映したものや、衛生管理者など、企業ごとに必置義務がある資格など、転職に効果を発揮する資格は数多くあります。
更新:11月21日 00:05