2018年05月19日 公開
2023年03月16日 更新
法定相続の額には定められた割合があり、これは法定相続人の数によって決まります。
配偶者しかいない場合は、全額、配偶者が引き継ぐことになります。配偶者と子供がいた場合、まず、配偶者に50%、そして残りの50%は子供の数で均等割りされます。2人兄弟なら25%ずつ、3人兄弟なら16.6%ずつ……となるわけです。
ただし、必ずしもその割合を守らねばならないわけではありません。相続人全員が納得すれば、どのような割合で分配しようと問題にはなりません。たとえば被相続人が「遺言」を残すことにより、全財産を長男に、といったことも可能です。
ただし、もしその内容に次男が不服を唱えた場合、「遺留分」として一定の額を手に入れる権利があります。原則的には、もともとの法定相続分の半分。本来の法定相続分が50%だとしたら、25%は取り戻すことができるのです。
実際、こうしたトラブルは頻繁に起こっています。相続対策というと「遺言」が最大の解決策だと考えられがちですが、遺言を過信するのもまた禁物なのです。
さて、誰がどのように資産を受け継ぐのかと同様に、ひょっとするとそれ以上に気になるのが、「相続税」の話かもしれません。とくに3年ほど前、相続税の課税ラインが引き下げられ、より多くの家が相続税の対象になることが話題となりました。それだけに「自分も対象者になるのでは」と心配している方も多いと思います。
とはいえ、相続税の対象になる人は、日本人全体からすればまだまだわずかです。
具体的には、相続税には「基礎控除」というものがあり、残された資産がこの金額以下なら、税金も課されず、申告の義務もありません。基礎控除額は相続人の数によって変わり、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」となります。たとえば、相続人が兄と弟の二人だけなら、基礎控除額は4200万円。預貯金はもちろん、不動産や有価証券、絵画などの美術品も含めた資産の額がこれに満たないようなら、相続税は不要です。
これを多いと思うか少ないと思うかは人によるでしょう。ただ、都心に一戸建ての住居を持つような家庭は、この金額にすぐに達してしまう可能性があります。
誤解されがちなのは、不動産の評価額は市場価格ではなく、あくまで「路線価」による、ということです。詳しい説明は煩雑になるので省きますが、市価と比較すると土地代が8掛け、建物が8掛けほどになることが多いようです。もちろん一概には言えませんが、市価が5000万円なら4000万円ほどの評価額になるということです。
更新:11月22日 00:05