2018年05月30日 公開
2023年08月24日 更新
家の中をスッキリさせて、生き方も変えるために私がお勧めしたいのは「生前整理」です。これは、終活の一環としてものを整理することではなく、これからの人生を快適に生きるための前向きなものです。
私が生前整理の講座をスタートした2008年頃は、団塊世代が大量に定年を迎えた時期だったので、「定年したら始める生前整理」を提唱していました。しかし今は、定年してからでは遅いと感じています。40代ではまだ自分の人生後半を想像できないかもしれませんが、50歳を過ぎた頃から自分の身体の変化や、親の異変、死の訪れなど、「家とものの整理の問題」が一気に現実味を帯びてきます。
現実から目を反らそうと片づけを先延ばしにしていると、体力や気力の低下から片づけをする意欲が出てこなくなるうえ、そのうち自分自身の病気のリスクも高まり、入院や最悪の場合は死によって家族に迷惑をかけないとも限りません。
また、「定年後、時間ができたら片づけよう」と思っていても、実際に時間ができたら別のことをやりたくなってしまうもの。生前整理は、「時間ができたら」ではなく、意志を持って「今すぐ」取り組むべき優先事項なのです。
では、具体的に何をすればいいかというと「ものの数をしぼる」ことだけです。大量のいただきものを押し入れの奥にしまい込んだり、「いつか着るかも」と服を大事に取っておいたりしていませんか? 日の目を見ないものは死んでいるも同然。ものを持つ基準は、「まだ使えるか、使えないか」ではなく、「それを使うか、使わないか」です。
生前整理は、クローゼットや納戸など、家の中の各所にしまわれているものを取りだして、「今、使うものか?」を考えることからスタートします。以下の「4つのステップ」を参考に、生前整理にチャレンジしてみてください。「仕事が忙しくてそんなことをしている時間がない」という人もいるかもしれません。でも、着なくなった服や靴、読まない本はリサイクルに出すなど、ちょっとしたことから始めれば大丈夫です。
生前整理の基本は、自分にとって居心地の良い空間を作ること。スッキリ片づいた空間は、身体を健康に保つだけでなく、心も健やかにしてくれます。
「生前整理」4つのステップ
STEP①ものをすべて出す
片づける場所を1カ所決め、中のものをすべて出す。たとえばクローゼットの中身をすべて外に出すと、いかにたくさんの洋服を持っていたかがわかるはず。その量を確認するだけでも、「片づけよう」という気持ちになる。このとき、出しすぎには要注意。その日のうちに片づけられる範囲に収めるように。
STEP②「今、使うもの」「今すぐ使わないもの」に分ける
出したものを「使用頻度」を基準に「今、使うもの」と「今すぐ使わないもの」に分ける。「今、使うもの」とは、1年以内に使うもの。これをさらに、普段よく使う「スタメン」、たまに使うものやストックなどの「控え」、1年に一度しか使わない「2軍」の3つに分類。次に、1年以内に使わないものや1年以上使わなかったものは、「今すぐ使わないもの」に分類する。これらは、プロ野球でたとえるなら「戦力外」。判断に困るものも戦力外に入れる。
STEP③「今すぐ使わないもの」を段ボールに入れる
段ボールなどを用意し、「今すぐ使わないもの」をその中に入れる。中身の内容と入れた日付を書いて、邪魔にならない場所に積み重ねておく。そして、もともと入っていた場所に「今、使うもの」だけを戻していく。「スタメン」は一番出し入れしやすい場所、「控え」はスタメンのそば、「2軍」は、収納場所の一番上や一番下など出し入れしにくい場所へ入れる。
STEP④「今すぐ使わないもの」は1年後に見直して手放す
STEP③から1年後、「今すぐ使わないもの」を入れた段ボールを開けて、中身を見直してみる。1年間、まったく使う機会がなかったものは、これからも使う機会はないと考えてよい。「処分してもいいな」と思えるはずだ。そのまま処分するか、業者に引き取ってもらおう。
更新:11月22日 00:05