2018年03月04日 公開
2023年09月29日 更新
勉強は、しんどくて当然。そう考える人は少なくない。しかし、自分を追い込んだ挙句、結果が出なかったとき、「こんなに勉強したのに、結果が出ない。やはり自分はバカなんだ」と、気持ちが折れてしまうのではないだろうか。しかし、少し視点を変えれば勉強は上手くいく。そう指摘するのは、「ビリギャル」先生の坪田信貴氏と、京大芸人であるロザンの宇治原氏と菅氏。勉強に行き詰って悩んでいる学生や社会人に向け、「学ぶとはどういうことか」アドバイスいただいた。
――大人になると記憶力が落ちると感じますが、知識の定着を高める秘訣はありますか?
坪田 僕が提唱するのは「エアー生徒」を想定して勉強することです。たとえば、「参勤交代は徳川家光」と覚えるだけでなく、目の前に生徒がいると想定して「なぜ、家光さんは参勤交代を始めたと思う?」と質問して自分で答える。すると暗記を理解レベルまで落とし込める。理解するから記憶に残るし、ますます面白くなってくるんです。
菅 ちょっと待ってください! それ、僕が本に書いた宇治原の「エアー授業」と同じじゃないですか。学生時代、宇治原は自分の部屋でひとり教師になりきって日本史のストーリーを面白おかしく話す「エアー授業」をしていたんです。
宇治原 これは……坪田先生にパクられてるとしか思えないな(笑)。
坪田 いやいや。(笑) だって、僕は20年前からやってますもん。
宇治原 それ言うならこっちは30年前。僕の母親はアホのふりして「これってどういう意味?」って質問してきましたから!
――なんという偶然(笑)。でも、学ぶ側が「先生になる」という発想は面白いですね。
坪田 カリスマ講師っていますよね。それって結局、「先生」がすごいだけなんです。たとえるならば、Jリーガーのシュートをバンバン見せられて、生徒が「すごい! すごい!」と感嘆しているような状態。ただ、眺めているだけでは本人は上達しません。それよりも、シュートを打つ練習を圧倒的に多くすべきというのが僕の考えです。
つまり、本人が教える側に回れということです。理解していなければ、人に説明できません。それに、説明しているうちに、理解できていないところも見つかってきます。
僕の塾にはカリスマ教師は一人もいません。それよりも生徒の勉強のPDCAをサポートして、宇治原さんのお母さんみたいに「これってどういう意味なの?」と引き出すことができれば十分。勉強嫌いの生徒さんもたくさん集まりますが、最終的にはセンター試験の平均点が80点を超えるまで伸びます。
更新:11月26日 00:05