2018年01月26日 公開
2023年03月23日 更新
もちろん、参考書を読んだり単語を覚えたりすることは悪いことではありません。英語を使いこなすのに、文法や単語を覚えるのは必要なことです。ただ、その知識を実践の場で発揮するにはどうしても身につけておかなければならないスキルがあります。それはずばり、「ネイティブ思考法」です。
ネイティブ思考法とは、ネイティブが自然とやっているように、英語を英語の語順のまま理解することです。英語を聞くときも読むときも、耳に入ってくる、あるいは目に入ってくるものからどんどん自分の中で消化し、理解する思考法のことです。
ただし、語順が英語と正反対の日本語が体に染みついている日本人がネイティブ思考法を身につけるのは、簡単なことではありません。英語を聞くとき日本人はとかく、一文を最後まで聞いてから「いま何と言ったのかな?」と戻って考える傾向があります。英文を読む際も、まず一文を最後まで読んでから、最初に戻って理解しようとします。
例文をあげてみましょう。
I was reading a book which my father gave me yesterday.
という英文があるとします。これを、「私は昨日、父が私にくれた本を読んでいた」という整った普通の日本語にするためには、以下のような順番で読まなければなりません。
これではじめて、普通の日本語になります。このように、日本語と語順の違う英語を、日本語の語順に置き換えて、行ったり来たりしながら読む読み方を、「返り読み」と言います。
「返り読み」は、一般の日本人が学校で習う英語の読み方ですが、実はこれには致命的な欠陥があります。それは、文頭から文末まで行ったり来たりするので、「あまりにも時間がかかる!」ということです。
ビジネスで手紙やメールを読むにしても、また、TOEICの膨大な問題を読むにしても、私たちは、時間をかけてはいられません。
この「返り読み」の問題を一挙に解決し、ネイティブ思考法を身につけるのに役立つのが、私が提唱している「SIM同時通訳方式」です。「SIM同時通訳方式」は、東京SIM外語研究所が開発した英語学習メソッドで、「外国語学習システム」の名称で特許を取得しています(特許第6231510号)。
先の例文に戻りましょう。「SIM同時通訳方式」ではこの英文を下記のようにセンスグループ(意味のまとまり)ごとに区切り、その都度、内容を理解していきます。
このように英文をセンスグループ(意味のまとまり)ごとに区切り、そのセンスグループごとに、「英語の語順」に沿って読み進むので「返り読み」をすることなく、文頭から文末まで一直線に理解でき、一文を読み終わると同時に全体の意味が取れているのです。
これはリスニングのときも同じです。耳に入ってきた英語をフレーズごとに意味をとっていけば、一つの文を聞き終わってから「いま何と言ったのかな?」と戻って考えるのではなく、聞き終わると同時に内容が理解できているという状態になるのです。
そもそも、「いま何と言ったのかな?」と考えているうちに、相手は次の発言に移っているので、これでは会話についていけないのは当然です。「ネイティブ思考法」を身につけることが必須だということがおわかりいただけるのではないでしょうか。
更新:11月22日 00:05