2017年12月25日 公開
2023年03月23日 更新
「要するに、『自分で見つけてね』ということ?」「話が終わってしまったじゃないか!」と憤慨する方もいるかと思います。ですが、それは早計です。
その見つけ方、つまり「微調整の繰り返し」には、きちんと方法論があるからです。それは、ビジネスの世界では常識となっている、計画(Plan)→実行(Do)→検証(Check)→改善(Act)を繰り返す「PDCAサイクル」です。ただ、勉強の場合、そのプロセスはもう少々細かく、6段階あります。順を追って説明していきましょう。
第1段階は「仮説」。自分に合っているかもしれない、と思う勉強法を想定することです。
たとえば、英単語を暗記するにあたって、「手を動かして覚えるのが得意だから、毎日5個の単語をノートに10回ずつ書けば、1週間で35個覚えられるはず」などといったように、方法を決めるのです。
第2段階は「実験・観察」。仮説を立てた勉強法に従って実行してみます。まずは1週間、同じ方法を続けていきましょう。
第3段階、というより第2段階と並行して行なうのが「記録」。毎日の勉強内容を、簡単に書き記していきます。学んだ箇所、所要時間、加えて「手応えあり」「飽きてきた」などの簡単な所感も書いておくといいでしょう。
第4段階は「分析と検証」。1週間かけて行なった勉強内容をどれだけ理解できたかを自分でテストし、記録も踏まえつつチェックします。
その結果「書いて覚える」方法が最初に期待していたほど効果がないと感じたら、他の方法を試す必要があるでしょう。たとえば「声に出して読む」など別の仮説を立て、また1週間、「仮説」「実験・観察」「記録」「分析・検証」を繰り返します。
こうして「PDCAサイクル」を回し続けると、自分に合った方法がいくつか見えてくるはずなので、今度はそれらを比較検討し、より成果の高い勉強法を採用します。そして、続けていくうちにいくうちに、手応えのある勉強の法則性もわかってくるはず。そこで、第5段階の「一般化」に入ります。
たとえば、「英単語は朝に5回書いて、夜に見直す方法が1番」という法則性を発見できたとしたら、それを別の科目の勉強やビジネスにも応用していくのです。営業マンなら、顧客情報のインプットなどに活用することで、業務効率もサービスの質も大いに改善できます。
ただ、その中で「何にでも応用できるわけではない」という気づきもあるはず。これが第6段階の「例外の発見」です。
どんな法則にも必ず例外はあります。うまくいかないとわかったら、その「例外用の仮説」を立てること。「英単語と違って、顧客情報は、書くよりも黙読を繰り返すほうが頭に入る」など、新しく自分用のノウハウを作っていくのです。
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更新:11月23日 00:05