2017年10月24日 公開
2022年11月10日 更新
そしてこの大会の魅力を語る上では、「プロ棋士」の存在について述べないわけにはいかないだろう。「目隠し詰め将棋」というイベントでは、目隠しをしたプロ棋士が、女流棋士が読み上げる「盤面配置」と「持ち駒」を聞いて、頭の中で盤面を想像しながら詰め将棋を実施する。常人であればまともにゲームすることさえできなさそうだが、それを悠々とこなしてしまうのがプロ棋士。記憶力や回答のスピードなど、卓越した能力を目の当たりにすることができる。
そして、何より、こども大会の後に行われる「JTプロ公式戦」は絶対に見逃せない。これは、JT杯覇者(前回優勝者)と、2017年2月28日時点での日本将棋連盟公式戦のタイトルホルダー、および平成28年賞金ランキングの上位の棋士の計12名で争われるトーナメント戦のこと。公開対局による早指し戦という形で行われるため、一瞬も目が離せないスリリングな対局をすぐ目の前で観戦することができる。
11月19日(日)の東京大会では、その「JTプロ公式戦」の決勝戦が行われる。今年は、昨年のJT杯覇者である豊島将之八段と、山崎隆之八段の戦いになることが決定している。豊島八段が連覇を達成するのか、それとも山崎八段が初優勝を果たすのか、多くの観客が見守る中繰り広げられる、静かで熱いプロの対局に期待したい。
記者会見の終わりには、「ひふみん」の愛称で大人気の加藤一二三九段が特別ゲストとして登場。集まった報道陣の雨のようなフラッシュを浴びていた。
加藤九段とこの「将棋日本シリーズ」の縁はとても深く、1980年の第一回大会から出場し、優勝2回、準優勝2回を誇る。その後は「こども大会」の解説棋士も努められたそう。
将棋界のレジェンドの一人である加藤九段から見ても、「こども大会」のレベルの高さは目を見張るものがあるという。藤井四段との対局によって、お茶の間にも一気にその名が浸透した“ひふみん”だが、「これから、この『こども大会』からますますたくさんのプロ棋士が育ってくるのでは」と、後進のさらなる充実に期待をしていた。
将棋を学んでいる子どもたちへのメッセージとして「入門書をしっかり読みましょう。将棋は基本を学べば絶対に強くなります」というアドバイスもあった。「間違いのない手を打てば、将棋は絶対に勝つことができると悟ってプロ棋士を目指した」と語る人の言葉だけに説得力がある。「基本を大切に」というのは、子どもたちだけでなく、将棋を趣味にしている大人にも響く言葉ではないだろうか。
特別ゲストとして登場した“ひふみん”こと加藤一二三九段。テーブルマークの冷凍食品の唐揚げを「柔らかくて美味しいですね」と試食。ちなみに対局のおやつとしては、カマンベールチーズがお好みだそう
今年は、東京ビックサイトから幕張メッセに会場を移し、11月19日(日)に開催される『将棋日本シリーズ「テーブルマークこども大会 東京大会」』。丸一日将棋の魅力を堪能できるこのイベント、親子でぜひ、体験してみてはいかがだろうか。
将棋日本シリーズ「テーブルマークこども大会」および「JTプロ公式戦」の詳細は以下のホームページで。
更新:11月23日 00:05