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社会人なら知らないと損する「お金の常識」とは?【後編】

2017年10月04日 公開
2023年03月23日 更新

大江英樹(経済コラムニスト/オフィス・リベルタス代表)

医療保険に入ってなくても決して無保険ではない

 同様に、今度は医療保険を考えてみましょう。年金同様、健康保険も我が国は国民皆保険ですから、制度は人によって異なるものの、何らかの健康保険には加入しています。そしてその健康保険には高額療養費制度というものがあります。通常、現役世代の人は病院で治療してもらうと窓口ではその3割が自己負担となりますが、仮にその治療費が非常に多くなっても、自己負担分を一定金額以下に抑えることができる制度です。

 たとえば入院して月に100万円ぐらいになったとしても3割の30万円を負担する必要はありません。年収が約370万円〜770万円の人の場合、実際に自分で負担する上限金額はたったの8万7430円です。

 以上の話から、まず大事なことは、社会保険をベースに考えることです。公的な制度にどんなものがあるのかをしっかりと理解しておくことが必要です。保険に加入するのはそれからでも決して遅くはありません。保険というのは一旦入ると比較的長い期間にわたって保険料を払い続けなければなりませんから、もし仮に不必要な保険に入ってしまうと、無駄なお金を延々と払い続けることになってしまいます。

 さらに重要なことは社会保険というのは原則、申請しなければもらえないということです。したがって、社会保険にはどんな種類があって、何かあった時にどれぐらい貰えるのかということを知っておき、そういう場合が起きた時には忘れずに申請することが大切です。社会保険労務士の試験を受けるわけではありませんから、それらの細かいことまで全部知っておく必要はありませんが、少なくとも手元にそういったガイド本を1冊や2冊は持っておいて、何かあった時、保険に入るかどうか検討する時には、まず社会保険を調べてから考えることをお勧めします。

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著者紹介

大江英樹(おおえ・ひでき)

経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングに従事。定年後の2012年にオフィス・リベルタス設立。現在、年間140を超える講演、月12本の連載を抱え、多忙な日々を過ごす。著書に『定年男子 定年女子』(日経BP社・共著)など多数。

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