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社会人なら知らないと損する「お金の常識」とは?【後編】

2017年10月04日 公開
2023年03月23日 更新

大江英樹(経済コラムニスト/オフィス・リベルタス代表)

若いパパが死んだら残されたママは?

 私の友人でファイナンシャル・プランナーをやっている前野彩さんという人がいます。彼女の著書で『本気で家計を変えたいあなたへ』(日本経済新聞出版社)という本があるのですが、この中にとても興味深い事例が出ています。

 同い年で共に30歳の若い夫婦。奥さんは専業主婦で子どもは3歳と1歳の2人。さて、こういうシチュエーションはどうでしょうか? おそらく絵に描いたような「生命保険に入らなきゃいけない」シチュエーションですよね。奥さんは専業主婦だからパパは一家の大黒柱。その若いパパがもし交通事故で死んだら、3歳と1歳のまだ小さい子どもを抱えたママは一体どうしたらいいのでしょう? これは保険に入るしかない! という状況に見えます。

 ところが、このシチュエーションでもしパパが死んだ場合、残されたママがずっと再婚しないまま、90歳まで生きたとした場合、生涯に貰える遺族年金はいくらぐらいになると思いますか? 1000万円ぐらい? 500万円ぐらい?

答えは約5474万円です!

 もちろん、これが全額一時にもらえるわけではありませんから、当面の生活費がどれぐらいかかり、そのうちどれぐらいが国からもらえるのかを計算しておく必要があります。さらにサラリーマンであれば会社から弔慰金などが出ることもありますから、その金額も併せて知っておいた方がいいでしょう。それに我が家の貯金の額を合計し、それでも生活に足らない部分だけを民間の生命保険でカバーすればいいのです。

著者紹介

大江英樹(おおえ・ひでき)

経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングに従事。定年後の2012年にオフィス・リベルタス設立。現在、年間140を超える講演、月12本の連載を抱え、多忙な日々を過ごす。著書に『定年男子 定年女子』(日経BP社・共著)など多数。

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