2017年10月04日 公開
2023年03月23日 更新
これまで累計40万人の人々に金融知識を授けてきた「お金の教育のプロ」でもある経済コラムニストの大江英樹氏。前編では主にお金の「増やし方」について話を聞いたが、後編ではお金の「備え方」「使い方」についても話をうかがった。
一般に保険に入るべきかどうかは人によってケースバイケースだと言われています。ところが誰にとっても知っておかないといけない保険があるのです。それは一体何保険なのでしょうか?
答えは「社会保険」です。
社会保険というのは、公的な保険や社会保障の制度のことです。代表的なものは「公的年金」、「健康保険」などがそうです。基本的に日本のこうした社会保障制度は他の先進国に比べると相対的に優れています。なぜなら、年金も健康保険も原則は国民全員が加入しなければなりませんが、これによって最低限の生活及び医療負担をまかなうことが可能だからです。
意外と知られていませんが、公的年金は死ぬまで支給されます。保険の原則から言えば、年齢が高くなって病気のリスクが高まるに連れて保険料が高くなるのは当然のはずなのですが、公的な医療保険においてはむしろ高齢になるほど負担が少なくなっているのです。まさに保険の本質である助け合うという原理が、収益性を度外視しても極限まで徹底されているのが公的な社会保険制度なのです。
最近ではこうしたことが原因で社会保障費が増大して、制度の維持が難しくなるということが懸念されているわけですが、逆に言えば、それだけ手厚く保障が行われているのだといってもよいでしょう。
したがって、自分で加入する保険を考える前に、自動的に、そして強制的に加入しているこれら社会保険がどれぐらい役に立っているのか、どれぐらいの保障があるのかをまず知っておくことが大切です。では1つの例を見てみましょう。
更新:11月21日 00:05