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「団塊ジュニア世代」が抱える閉塞感の正体とは?

2017年10月01日 公開

城 繁幸(人事コンサルタント)

7割は課長にすらなれない「不都合な真実」

 40代が抱える問題は、年金の不公平さだけに留まらない。

「団塊ジュニアは人口が多いのに、ITバブルの崩壊で求人数が少なかった運のない世代です。当時の求人倍率は0.9程度、リーマン・ショック時ですら一を超えていました。また、年功序列で守られてきた生産性の低い人材を雇用し続けるために、この世代の給与はずっと低く抑えられてきました。ただ、年功序列、終身雇用のシステムとは本来、そういうもの。若いうちは働きに対して給与は低く、40〜50代になってからはむしろ、働き以上の給与がもらえる仕組みです。

 ただ、それはあくまで、会社が成長し続けるという前提があってこそ。その前提がなくなってしまった今、これまで給与を抑えられてきたのに、40代になっても給与が上がらない、という問題が起きているのです」

 その象徴とも言えるのが、「ポストの減少」だ。

「40歳までに課長以上に昇進している大卒社員は、わずか26%という調査結果が、2006年の時点で出ています。調査対象となった大手企業では、おおむね40歳までに幹部候補の選抜を終えます。つまり、大卒であっても7割以上の人が生涯平社員で終わるということです。当然、給与も上がりません。

 コツコツと働いてさえいれば出世の道が開け、収入もそれに応じて増えていく時代はすでに終わってしまっているのです」

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著者紹介

城 繁幸(じょう・しげゆき)

人事コンサルタント

1973年山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通に入社。2004年に独立。人事コンサルティング「Joe's Labo」代表取締役を務める。雇用問題のスペシャリストとして、「若者の視点」を取り入れた独自の主張を展開。著書に『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)、『7割は課長にさえなれません』(PHP新書)など。

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