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官民一体で集金に励む「経済大国」(ナイジェリア)

2017年09月09日 公開

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(25)石澤義裕(デザイナー)

あちらこちらに現われる「自称」検問の数々


ナイジェリア人の好きな言葉は、ProfitとBenefit。「日本の車を輸出してくれ」が、彼らの挨拶です。

ナイジェリアの検問は、警察だけではありません。

軍、イミグレ、カスタム、道路セキュリティとなんでもあり。

その数、1日20回以上。

恫喝系のカツアゲが日に3回ほどあり、うち1回は軍産複合体の国策詐欺です。

私服組みが混じっているため、物売りやヒッチハイクにも愛想笑いをせねばならず、10倍以上の体感を楽しめます。

アサルトライフルをぶら下げた迷彩服に指さされ、路肩に停まりました。

「道路許可証を出せ!」

偉そうに命令するのは私服組みで、迷彩服は3歩下がって影を踏まずの立ち位置。

道路許可証なんて初めて聞きましたが、なんですかそれ?

「許可証なしで、道路を走ってはならんのだ。不携帯なら、発行料15,000円っ!」

国民の7割が1日2US$で暮らすナイジェリアで、一般道を走るのに15,000円は法外でしょう?

とりあえず、その書類の写真を撮らせてください。

「NO!」

なぜか怒られました。

じゃあ、大使館に電話しますね!

「NOOOOOO!!!」

非常に激しく怒鳴られました。携帯を没収されそうな勢いです。

15,000円なんて大金、持ってないんですよ。

「NO! NO! NOOOOOOOOO!!!!!!」

両手を天に仰いで絶叫する係官!

「なんでもいいから金出さんかい!」

狂ったような駄々をこね始めたので、ここでポケットに忍ばせていた保険金700円を進呈します。

「えーとすみません、領収書くれませんかね?」

「FU○K YOU!!!!!(意訳)」

突きつけられた強烈なミドルフィンガー!

どう考えても、詐欺なわけです。

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著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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