2017年10月09日 公開
2022年11月10日 更新
チーム内でビジョンや理念を共有するには、リーダーがメンバーに繰り返し伝えていく必要がある。ただ、しっかり伝えたつもりでも、浸透していないことは起こり得る。
「浸透させるには、二つの方法があります。一つは、自分たちのミッションに照らし合わせて、自分たちの『あるべき姿』を言語化し、共有すること。もう一つは、『これはやめておこう』という禁止事項を設定することです。
たとえば『お客様満足度ナンバーワンを目指す』というミッションがあるとします。このとき、そのためにすべきことを共有するだけではなく、『電話は30秒以上お待たせしない』『ご要望に応えられない場合でも、すぐにNOと言わない』など、達成のために『してはならない』ことも共有しておくのです。
若い人の場合、自分の仕事と使命の間に距離を感じることも多いので、『こうありたい』よりも『~してはいけない』のほうが腑に落ちやすいものです。ポジティブな『ありたい姿』と、ネガティブな『禁止事項』の両方を設定すれば、組織のベクトルは合わせやすくなります」
最近はプレイングマネジャーが増え、部下とのコミュニケーション不足も問題になっている。
「リーマンショックの後、多くの企業がプレイングマネジャーを増やしました。その結果、現場の戦力としては優秀だけれども、チームのマネジメントや部下育成にまで手が回らないリーダーが増えています。しかし、そんな難しい時代だからこそ、部下としっかりとコミュニケーションを取り、多様化する個々のモチベーションに向き合ってメンバーをうまく束ねられる人が、重用されるのは間違いありません」
《『THE21』2017年10月号より》
更新:11月25日 00:05