2017年06月27日 公開
2023年04月06日 更新
分類が終わったら次は配置です。すなわちモノの置き場を決めていきます。
デスク周りは、エリア1からエリア5までに分けることができます。このうちエリア1の机の上に常時置くアイテムは、原則パソコンと電話だけにします。机の上に今取り組んでいる仕事の資料や道具以外のモノが置かれていると、それが目に入って集中力が削がれ、ミスを引き起こす要因となるからです。
次に、エリア2の一番上の引き出しには文房具、エリア3の真ん中の引き出しには電卓や電子辞書などの小物類を入れていきます。
そしてエリア4の一番下の引き出しに、先ほど分類した書類を入れます。オフィスのデスクの大半は、ここにA4サイズの書類が入るファイルボックスがちょうど5個ぶんぴったり収まるサイズになっています。それを入れたうえで、大・中・小項目に分類した書類を、大項目ごとに配置していきます。
ただし一番手前のファイルボックスだけは、今使用中の書類を入れるために空けておきます。就業時間中に机の上で使っていた書類一式を、仕事が終わって帰るときに、この手前のファイルボックスに収めてから退社するのです。そして翌朝出社したら、またファイルボックスから書類を取り出して仕事を始めます。「どうせ明日も使うのだから」と机の上に置いたまま退社すると、ほかの書類と混ざって紛失の要因となるからです。
ちなみにエリア5のデスク手前の引き出しは、板の厚さが薄く、モノをたくさん入れるのには不向き。そこで基本は空にしておき、席を離れるときに机の上に置いている書類をいったん中にしまっておく臨時の置き場として活用しましょう。
こうして配置が終わったら、最後は収納です。配置したモノを、見えやすく取り出しやすいように整えていきます。とくに工夫が必要なのはやはり書類です。書類は平積みではなく必ず縦にして保管し、背表紙にタイトルを書くなどして、どこに何の書類があるかが一目でわかるようにしておきます。
理想は、新人でもモノがすぐに見つかるデスク。デスク周りの分類や配置は、基本的には自分が使いやすいように創意工夫しながら取り組めばいいでしょう。
ただし、自分さえわかればいいという分類や配置は避けるべきです。外出先で会社に置いてきた書類が急に必要になり、同僚に探してもらうといったことも起こり得るからです。異動や急な入院などで、同僚に仕事を引き継いでもらわなくてはいけない場合もあるでしょう。その際、自分にしかわからない配置をしていると、ミスや業務の遅延を招きます。理想は、会社の業務のことをまったく知らない新入社員が見ても、すぐに理解できる分類や配置にすることです。
一度分類や配置をしたら、次はそれを維持することが大切になります。そのためには一つの作業が終わったら、必ず書類や文房具などを定位置に片づけてから次の作業に入る、というルールを自分に課すことです。
また不要になったモノは溜め込まず、どんどん整理していきましょう。こうした習慣をつけることで、「ミスの起きないデスク」を維持することができるのです。
取材構成 長谷川敦
「THE21」2017年6月号
更新:11月25日 00:05