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中高年の不調を改善する「60点の生活習慣」

2017年05月25日 公開
2024年06月27日 更新

米井嘉一(同志社大学教授)

40代の生活習慣は「60点」で良い

では、何から始めればいいのでしょうか。いきなり「毎日、筋トレやランニングをしよう」「毎日バランスのいい食事を摂ろう」などと高いハードルを設けたところで、結局、挫折してしまうのは火を見るよりも明らかです。

毎日運動する時間や、食事に手間をかける時間を十分に確保できるような人は、それほど多くありません。

まずは、何かを始める前に、自分の身体の老化がどの程度進んでいるのかを確認してみてください。私はいわゆる「アンチエイジングドック」を勧めています。身体でもっとも老化が進んだ部分や老化の危険因子など、自分の健康状態や若さの程度が把握できるからです。

その情報を元にして、具体的に生活習慣を改善していくわけですが、その際、ぜひ意識してもらいたいことがあります。それは、「健康に二番目にいいことを習慣にしよう」という考え方です。

もちろん「健康に一番いいこと」を実践できれば100点満点です。しかし、無理をして挫折し、何もやらなくなるよりは、最初からハードルを低くしたほうが始めやすく、続けやすいはず。

忙しい40代はいっそ「60点の健康習慣」を目指すべきでしょう。難しいことを最初からやろうとせず、日常生活の中で少しだけ気をつければいいことだけをやるのです。

二番目にいいことでも続かないようなら、三番目にいいことでもいいでしょう。今後の人生を見据えたとき、少しずつでも身体にいい習慣を積み重ねた結果が、将来、老後資金の積み立てのようにジワジワと効いてくるのです。

ビジネスマンの1日に合わせ、忙しくても明日からできる健康習慣をいくつかご紹介しました。ぜひ、参考にしてみてください。

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著者紹介

米井嘉一(よねい・よしかず)

同志社大学教授

1958年、東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。『なまけ者でも無理なく続く77の健康習慣』(SB新書)など著書多数。

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