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メモを取る時は「5W1H」を意識せよ

2017年05月18日 公開
2023年04月06日 更新

伊庭正康(らしさラボ代表取締役)

「何でも書く」ことで手帳・メモは最強ツールに

 

 

手帳に何を書くか、またメモをどう書くかという習慣には、個人差がある。しかし、これらのビジネスツールの使い方こそ、仕事効率化やアイデア創出に大きく関わってくる。できる人は、どのような手帳の習慣、メモの習慣を持っているのだろうか。《取材・構成=杉山直隆》

 

なぜ、できる人ほど大判の手帳を持つのか?

これまで、私はさまざまなビジネスパーソンの手帳やメモを研究してきました。それでわかった、仕事ができる人とできない人の手帳・メモの使い方の違いをお伝えしましょう。
まず、できる人に共通しているのは、1冊の手帳に、あらゆる情報を一元化する習慣をもっていること。スケジュールや打ち合わせの記録はもちろん、新聞記事などのメモやちょっとした思いつきなど、すべてを一冊に書いています。

そうすれば、「あのメモは、どこに書いたかな?」とわからなくなることがなくなり、探す時間のムダもなくなるわけです。
なんでも書くので、手帳のサイズは自然と大きくなります。私が見る限り、仕事ができる人は、A5やB5サイズの手帳を使っている人が多いと感じます。

 

「気が利く人」は上司や顧客の予定まで書く

スケジュール欄の書き込みを見ても、できる人とできない人では大きな違いがあります。

できる人の多くに共通するのは、かなり細かく書き込みをしていることです。たとえば、作業予定だけを書くのではなく、何分で終わらせるか、予定時間まで書いています。こうすることで、「何分で終わらせる」という意識が働き、ダラダラ仕事をしなくなります。

「◯◯さんにメールする」「手土産を買う」といった、小さなTODOを予定欄に書いていることも、よく見られます。小さなTODOといっても、頭の中で記憶していると、つい気になって、目の前の仕事に集中できなくなるものです。しかし、書き込んでしまえば、記憶する必要がなくなるので、大事なことに意識を集中できるのです。

もう一つ特徴的なのは、「他人の予定を書いていること」です。どの職種の人にも共通するのは、上司の予定を書くこと。上司の確認が取れないために仕事が滞ることはよくありますが、上司の予定を意識していれば、それが防げます。

営業マンの場合は、取引先の繁忙期や、「5月になったら社内で話がまとまると思う」などという何気ないひと言なども書いています。そうすることで、適切なタイミングでアプローチができるからです。私も実践したところ、「機を見るに敏だね」と褒められたことがあります。単に手帳に書いておくだけで、できる人と見られるわけです。

 

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著者紹介

伊庭正康(いば・まさやす)

〔株〕らしさラボ代表取締役

1969年、京都府生まれ。1991年、リクルートグループ(求人情報事業)入社。営業としては致命的となる人見知りを、4万件を超える訪問活動を通じ克服。それでもリーダーになるのは避けていたが、ある時リーダーに抜擢されたことから一念発起。当初は「任せ下手」で苦しむも、うまくいっているリーダーの行動を徹底的に観察するなどして、独自かつ効果的な「任せ方」を体得。その結果、プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞(社内表彰は累計40回以上)。営業部長、〔株〕フロムエーキャリアの代表取締役など、重要ポストも歴任する。
短期間で成果を出す手法を駆使して「残業しないチーム」を実現したこと、また管理職を務めていた11年間、メンタルダウンする部下や入社3年以内の自主退職者を1人も出さずに済んだことが、ひそかな自慢。
2011年、企業研修を提供する〔株〕らしさラボを設立。営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させるオリジナルの手法(研修+コーチング)が評判を呼び、年間260回にのぼるセッション(営業研修・営業リーダー研修・コーチング・講演)を自ら行なっている。リピート率は95%。

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