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これさえあればほぼ通じる!「20の基本動詞」とは?

2017年03月04日 公開
2023年04月06日 更新

佐藤洋一(英語学習コンサルタント)

 

英語の「つぶやき」で発信力を鍛える

 20の基本動詞をフル活用するためには、「使い方」をマスターすることが重要です。辞書の見出し語に載っているような意味だけでなく、コアのイメージを知らなくてはなりません。

 たとえば、putは「置く」だと覚えている人がほとんどでしょう。しかし、コアとなるイメージは「(人やモノ、考え方を)変化させる」ということです。このイメージで覚えていると、砂糖をコーヒーに入れるのを「put in」と表現することを、違和感なく理解できるでしょう。

 動詞だけでなく、in やon といった前置詞などのイメージも、最重要の9個をまずはしっかり覚えておきましょう(あとの表参照)。20の基本動詞にくっつけて使うことで、動詞の活用の幅を広げることができます。

 そして、もう1つ、必要な発想の転換があります。それは、「日本語で考えたことを英語にしよう」としないこと。絶対に語彙が不足するからです。

「20の基本動詞を使って、自分が言いたいことを表現できないか」と考えるクセをつけましょう。これができれば表現力が飛躍的に上がっていきます。

 具体的には「つぶやきトレーニング」がお勧めです。自分の今の状況を、英語でつぶやいてみるのです。その際に、20の基本動詞で言えないかを考えること。たとえば、朝、コーヒーを淹い れながら 「I make some coffee.」とつぶやく、といった感じです。

 SNSでつぶやくのもいいでしょう。ツイッターやフェイスブックの言葉は比較的話し言葉に近いので、ちょうどいいと思います。

 英語でつぶやけば、海外からの反応があるかもしれません。たとえば、お昼ご飯の写真をインスタグラムにアップして、「Please try it.(食べてみて)」と書き添えてみる。「○○のラーメンはお勧め。日本に来たときには絶対食べたほうがいいですよ」と日本語で考えて、それを英語にしようとしたら大変です。「Please try it.」というごく簡単な英文でも、海外の人にとっては興味深い日本食の紹介になります。

「日本の英語教育はダメだ」と頭ごなしに批判する人もいますが、実は、その英語教育のおかげで、私たちは英語の基本動詞にある程度なじんでいます。他の外国語を勉強しようと思ったらゼロからやり始めなければなりませんが、英語の場合は手持ちの英語力をベースに「やり直し」が効く。これは日本人英語学習者の多くにとってアドバンテージです。

 

《『THE21』2017年2月号より》
《取材・構成:川端隆人》

著者紹介

佐藤洋一(さとう・よういち)

英語学習コンサルタント

1983年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。現在、東洋大学、青山学院大学、明星大学、放送大学で非常勤講師を務めるかたわら、関東、関西、北九州圏を中心に、日本国内のグローバル企業で英語学習コンサルティングを行なっている。朝日カルチャーセンターの講座も好評。「教育復興フォーラム」主催。主な著書に『第二言語習得論に基づく、もっとも効率的な英語学習法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『英語は20の動詞で伝わる』(かんき出版)などがある。

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