2017年02月14日 公開
2023年03月23日 更新
「本当にこの選手のためになることはなんだろうか」を常に考え、時には厳しい決断を下す栗山監督。ただしそれには、リスクが伴うこともあるはずだ。たとえばいくら監督が、その選手のことを思って2軍行きを命じたとしても、選手のほうはそれですっかり自信を喪失し、潰れてしまうかもしれない。
「そうですね。だからこそ一人ひとりの選手の性格や、心身の状態を把握しておくことが大切になります。僕は選手に技術的な指導はほとんどしません。選手のちょっとしたしぐさや表情、練習中の態度などをひたすら見ています。
そして選手の性格や精神状態を踏まえたうえで、どんな態度で接するか、言葉がけをするかを考えます。人によって、褒めたほうがいい、叱ったほうがいいなど違いがあるうえ、同じ人でも立場や状況によっても変わってきます。一概に、どうすることが正解というのがないので、よく見ることが大切なのです。
僕は『教える』という感覚はあまりなく、選手が持つ良さを引き出し、適材適所で輝くようにマネジメントをしているだけです。引っ張っていくリーダーというよりは、マネージャーのような役割が近いかもしれません。
もう一つ心がけているのは、『自分の考えが正しい』とは絶対に思わないことです。『これがその選手のためになる』と思ったとしても、もしかしたらその考えは監督の独り善がりかもしれません。そうして他人の意見にも素直に耳を傾け、そのうえで『これで本当にいいのだろうか』と、自分自身に深く問いかけてから結論を出すようにしています」
更新:11月22日 00:05