2016年06月28日 公開
2022年07月12日 更新
部下が自分についてこない。部下が成果をあげてくれない。仕事が遅い。同じことを何度注意しても直らない。すぐに反発してくる――こんな悩みを抱えている上司も多いのではないだろうか?
ベストセラー著者、赤羽雄二氏の最新刊『すごい成果をあげているリーダーが実行している40の習慣』は、そんな部下や後輩に対する悩みを一気に解決してくれそうな考え方やツールが満載だ。その中でも最も即効性のある方法の一つを、著書の赤羽雄二さんにうかがった。
部下や後輩に多くの悩みを抱えている上司は多いと思います。その一方で、さらに自分の上司からは、成果を出すことを求められる。部下を育てながら自分の仕事で成果を出すのはなかなかの難題です。私もどうすれば、育成と成果を両立させることできるか悩みました。いわゆるスポーツの常勝チームで求められる「育てながら勝つ」というテーマです。
私が14年間在籍していたマッキンゼー・アンド・カンパニーという経営コンサルティング会社は、しばしば「世界一のコンサルティング会社」と呼ばれることがあります。そのような環境で生き残るのは容易なことではなく、私もマッキンゼー在籍時はさまざまな苦労をしました。一番の悩みはとにかく仕事量が多いこと。入社当時の私のスピードでは、とても太刀打ちできませんでした。
ひたすら考え、たどり着いた答えが、この本でも紹介している「メモ書き」です。A4の紙にひたすらメモをするというトレーニングを積んだおかげで、私の仕事のスピードは当初の数倍以上になりました。メモ書きは今も続けているので、今はもっと速くなっています。
そのマッキンゼーでプロジェクトリーダーの立場になって考案した「アウトプットイメージ作成アプローチ」は、上司が部下を導くためにとても役立つツールです。当時、私は7~8のプロジェクトを支援していて、とにかく短時間でたくさんのアウトプットを出さなければなりませんでした。
クライアントチームのプロジェクトリーダーに任せていると、思うようなものがあがってこないので、挽回するのに時間がかかってしまいます。そうした時間の無駄をなくし、彼らの成長を促す方法として「アウトプットイメージ作成アプローチ」が生まれたというわけです。最初に完成イメージ(アウトプット)を示しておくことから、そのように命名しました。
手順は次の通りです。上司が部下のコーチングをする場合の説明をします。
①資料の表紙、目次をつくりページ番号を振る。中身はスカスカで構わないが、章構成をしっかりと作り、各ページに何を書くか、どんなグラフを入れるか、できるだけ詳細に書いておく。
②コピーを部下に渡し、意識のすり合わせをする。部下から質問があれば答える。
③頻繁に進捗確認をする(2週間であれば7~10回程度)。不足している部分があれば上司が補う。
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更新:11月22日 00:05