2016年12月16日 公開
2023年07月12日 更新
下積み時代に培った技術があるからこそ、今があるという
先輩に教えられ、お客さんに揉まれながら、腕を磨いていった青木氏。まずは、徹底して江戸前寿司の基礎を身につけたという。いつ頃から新しいスタイルに挑戦し始めたのだろうか。
「30代の後半くらいですかね。当時、ニューヨークの寿司屋で研修をする機会があり、せっかく面白いモノを学んできたからと、海外の食材を使った寿司に挑戦し始めたのです。
最近では、『Project Blue Tree』という、さまざまな食とコラボレーションする企画を展開しています。現在、その第2弾として韓国料理とのコラボレーションに挑戦中です。第3弾はフグを使った料理を、続いてイタリアンに挑戦する予定をしています」
新しいことを始められたのも、下積み時代に基礎を徹底的に学んだからこそだと青木氏は語る。
「かつて、寿司職人と言えば小僧から始まり、怒られて恥をかいて経験を積んでいくのが一般的でした。今は、大学を卒業してから料理専門学校に入り直し、1年ほど研修した後すぐに独立する方もいます。下積みの捉え方も変わってきているのです。
ですが、自分の店を持ったからといって、下積みが終わるわけではありません。仕込みを速くするとか、お客さんへのサービスを徹底するといった当たり前のことは、ずっと磨き続けていかねばなりません」
仕事には波がある。青木氏も、常に順風満帆だったわけではない。そんなときに自分を支えてくれるものこそ、下積みを経て身につけた技術なのだという。
「たとえ世間から評価されない時期が続いても、下積み時代に身につけた基礎があれば、踏みとどまることができます。苦労して身につけた技術だけが、自分を支えるのです」
更新:11月22日 00:05