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ダメ上司を演じてでも「仕事を任せよう」

2016年11月05日 公開
2023年05月16日 更新

真藤昌瑳煕(経営コンサルタント)

「自分でやる」から「部下へ任せる」へ

「自分でなければできない」という理由から、1人で仕事を抱え込む人は少なくない。しかし、部下育成や部署の方針など、本来注力すべき仕事をないがしろにしては、本末転倒。40代を超えたら、部下へ仕事を任せる能力は欠かせないと語るのは、現在3つの会社を経営する真藤昌瑳煕氏。真藤氏に、「正しい仕事の任せ方」をうかがった。

 

部下に任せきれないのは「無価値感」が怖いから

 部下に仕事を任せられない問題のほとんどは、本人のマインドセットに原因があります。多くの上司は「自分でなければこの仕事はできないから、部下に任せられない」と口にしますが、本当は「仕事を多く抱えることで自分を重要な存在だと思いたい」「部下が自分よりも成長すると、立つ瀬がない」という「無価値感」への恐怖があるのです。

 人間関係の力学から見ても、上司が自立的であればあるほど、部下は上司への依存を強めていきますから、部下は育たないままです。

 では、「任せる」にあたってまずすべきことは何か。それは、「部下が良い仕事をすれば、自分の昇進へとつながる」という考え方に切り替えることです。それには「誰がその仕事をやるか」ではなく「チームの誰かが成果を上げる」ことを意識して仕事を進めると良いでしょう。

 あえて依存型のダメ上司を演じ、部下の能力を引き出すのも手です。「どうしたらいいと思う? 君の意見を聞かせてくれないか」とあえて部下に依存するマネジメントをすることで、任せる上司へと変わるのです。

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部下のタイプに合わせた「任せ方」と「伝え方」 >

著者紹介

真藤昌瑳煕(しんどう・まさひろ)

経営コンサルタント

1967年、栃木県宇都宮市生まれ。東京大学工学部卒業後、㈱リクルートに入社。その後、経営コンサルタント会社を経て、26歳で独立。専門分野は採用・研修と、社内コミュニケーション改善を含む経営再建コンサルティング。著書に、『任せきりでも10億円! 週休5日社長の任せる力』(すばる舎)がある。

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