2016年12月26日 公開
2024年06月27日 更新
多くのビジネスマンにとって、ウィークデーに自分のために使える時間は「朝の始業前」と「仕事が終わってからの夜の時間」しかない。朝型になるために前者が重要なのは言うまでもないが、実は朝からフルパワーで活動できる人は、その前日の「夜」の過ごし方から違っている。「朝活」で有名な識者2人に、朝と夜それぞれのお勧めの過ごし方について伝授していただいた。<取材・構成=林加愛>
池田氏の朝の過ごし方
早朝勉強で大学受験に成功、会社員時代にも朝型生活に切り替えたことでキャリアを躍進させた池田氏。出産後、わずか2カ月で仕事に復帰できたのも朝時間のおかげ、と語る。
現在の朝時間は、大きく二つのパートに分かれる。4時起床~7時半に保育園へ向かうまでは、授乳と身支度と「考え事」の時間。その後、出社までの時間でタスクを整理。今後のキャリア展望についても、朝ならではの前向きな気持ちで思いを巡らせる。
(1)朝シャワーに目覚めの香りをプラス
池田氏は、起床後すぐにシャワーを浴びる習慣を出産前からずっと続けている。
「朝にシャワーを浴びると、すっきりと目が覚めるので、お勧めです」
さらに、目覚めをさわやかにするひと工夫がある。
「最初に、柑橘系のアロマオイルを2~3滴床に垂らし、それからシャワーを開栓すれば、ミストサウナのように香りが広がって、気分爽快です」
アロマポットを用意する必要もなく、手軽にできるのもポイントだ。
(2)出社前にカフェでTODOを整理
池田氏は9時頃まで駅前のカフェで過ごす。「4時~7時半まで頭の中で考えていたことを、コーヒーを飲みながら手帳に書き出します」
その日やるべきことを中心に、TODOを整理する――出勤前にこうした時間を持つことは、その日のパフォーマンスに大きく関わってくるそうだ。
「何をどう行なうか考え、出勤後は実行するだけの状態にします。いわば、エンジンをかける時間ですね」
(3)電車の中では「耳を使う作業」を
朝の混雑した通勤電車では、本を開いたり、スマートフォンを操作したりといった動作もままならないことがある。
そこで、池田氏は「耳からの情報インプット」を勧める。「FeBe」「Audible」などのオーディオブックで読書ならぬ「聴書」をしたり、英語ニュースを聴いて英語力アップや情報収集を図ったり。手が使えるときは、ふと浮かんだアイデアやタスクを、スマホから自分宛でメール送信することも。
小川氏の朝の過ごし方
以前は夜型だったが、起業後に朝型生活を開始。朝4時に起床してからの3時間は、もっぱら「思考」に注ぎ込む。
「経営者の役割は意思決定ですから、考えることはもっとも重要な仕事と言えます。一人で過ごせる朝以外で、この時間を確保するのは不可能です」
7時半にいったん自宅に戻って朝食をとり、家族との時間を過ごす。会社の始業時間が来たら再び出社。その後は、朝に考えたことを着々と実行に移す。
(1)「簡単ストレッチ」で身体と脳をONにする
小川氏は、起き抜けの洗顔後、軽くストレッチをすることを勧める。身体をほぐしながら「今日やること」をイメージすると、脳も身体も同時に目覚める。
「前の晩、簡単にTODOを書いておくのですが、身体を動かしていると『そういえば、これもしておいたほうがいい』と新たに思い出すことが多いですね」
ちなみに、この段階では食事は摂らない。「4時では食事する気になりませんし、空腹のほうが集中力も上がります。飲み物だけ飲んで、すぐ出社します」
(2)一人きりの時間にアイデア出しと計画を
小川氏は自宅からオフィスまで徒歩通勤。4時半に出社した後は集中力を高めて、頭に浮かんだことを書き出す。こうしたプランニングとアイデア出しは、朝イチでやることを勧めている。部下から相談を受けることもなく、電話がかかってくることもなく、誰にも邪魔されないゴールデンタイムだからだ。
「7時に一度自宅に戻り、朝食を摂って9時に再び出社しますが、その後の指示や実行は『作業』に近いものです。誰にも邪魔されない早朝の時間は、思考に使うための貴重な時間なのです」
(3)「朝すること」の内容は随時アップデートする
「朝に何をするか」は随時見直そう、と話すのは小川氏。
「習慣として根づいてしまうと、成長曲線は緩やかになり、やがて止まります。同じことを何年も続けるのは、朝時間の空費になる可能性があります」
朝にすべきこととは、「したいと思っているが、現時点でできていないこと」だと小川氏は考える。
「すでに習慣化したことは朝以外の時間に回し、新たなチャレンジを取り入れることが必要。随時内容を組み替えることで、前進・向上できます」
更新:11月24日 00:05