2016年11月25日 公開
2016年11月25日 更新
――各国に提携している企業があるのですか?
山川 そうです。タンザニアだけで4社あります。
――アフリカの人たちに御社が求める業務を適切にしてもらうためには、苦労もあるかと思います。どういう教育をされているのですか?
山川 大手企業からもよく聞かれるんですけど、教育はしていません。確かに、「DHLで届いた封書を開けて、中の書類をお客様に渡す」といったことさえしたことがない人たちが多くて、書類を紛失することもよくありました。そこで、業務の流れを細かく分解して、すべてシステムに落とし込んだのです。
たとえば、ある人が封書を開けたら、その人がログインしている画面で「封書を開けた」とクリックする。すると次の業務の画面に移って、中に入っている書類がそろっているか、チェックリストにチェックを入れていく。チェックが入らないと次の業務に進めません。そうして順番に業務を進めていって、「準備が整った」というクリックをすると、自動的にお客様に「納車の用意ができました」というメールが届く。そのように、ある業務をきちんとしないと次の業務に移れないシステムを構築したわけです。
はじめはタンザニアに10人ほどの社員が出向いて、このシステムを作り上げました。それからは、それぞれの国に合わせて少しずつ変えながら、コピーしただけです。
――企業のアフリカ進出を支援する事業も始められたということですが、これはなぜでしょうか?
山川 いろんな人から「どうやってるんですか?」と聞かれるからです。アフリカ市場に興味を持っている企業は多い。しかし、興味を持っているだけで、実際に動けている企業はほとんどありません。当社は、そういう企業に「一緒にやりましょう」と言っています。当社の強みを利用していただきたいと思っているのです。
アフリカにおける当社の強みは三つあります。一つ目は高いブランド力。二つ目は、商品を渡す前にお金を支払っていただけるだけの信用力。三つ目がロジスティクスです。クルマのような大きなモノをアフリカに大量に送っている企業は他にありません。ですから、海運会社に融通を利かせていただいて、クルマと一緒に他の商品も送れるのです。実際、中古車だけでなく、クルマのパーツの輸出も行なっています。新興国の人たちはクルマを修理しながら長く乗りますから、交換部品は必需品なのです。バイクや農機具の輸出もしています。
たとえば、地方の小さな工作機器メーカーがアフリカ市場に興味があるという場合、なかなか自力で動くのは難しいでしょう。そこで、ブランド力や信用力がある当社が現地のネットワークを使ってパートナーを探し、紹介する。ビジネスが動き出せば、当社のロジスティクスも使っていただく。これからは、そういう事業も展開していきたいと思っています。
《人物写真撮影:まるやゆういち》
更新:11月22日 00:05