お金の使い方に関しては、教育費や自己投資など目標を伴うものに注意。それが非現実的な「夢」なら、投資ではなく消費になってしまいます。
かかる時間も考えるべきです。年収を時給換算した上で「二年間社会人大学院に通う」という投資を考えると、その間どれだけ稼げるか、それを犠牲にする価値があるか見えるでしょう。
その他に、無駄が生じやすいのが医療保険です。小さい子供がいる家庭の働き手であれば、万一に備えて一千万円程度の保障で、掛け捨てのシンプルな生命保険に入っておくのは良いでしょう。しかし、それ以外は不要です。とりわけ危険なのは、高利回りを謳う外貨建ての個人年金保険。金融庁が高すぎる手数料を指摘し、システムの透明化を指示したいわくつきの商品です。
病気への備えは健康保険で十分。健康保険には高額療養費制度があり、自己負担限度額を超えた分は戻ってきます。
山崎元氏のアドバイス
○使っていいお金、やっておくべき投資
・個人向け国債(変動金利型10年満期)
・手数料の安いインデックスファンド
・その他、老後資金を見据えた使い方
×使ってはいけないお金、やってはいけない投資
・外貨預金
・医療保険、がん保険、個人年金保険(とくに外貨建ての商品)
・子供や自分の実現可能性の低い「夢」への投資
《『THE21』2016年9月号より》
更新:11月22日 00:05