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なぜ、英語の勉強は続かないのか?

2016年06月15日 公開
2023年05月16日 更新

峯村真紀子(日本コカ・コーラ)

 

どれくらいのレベルの英語力を目指しているのか?

 2つ目の「英語の目標を細かく分解して決める」と、最短距離で目標に到達しやすくなる、上達が実感できるのでモチベーションを維持しやすくなる、という利点があります。

 私が、英語について相談される時ときに気になるのが、「英語が話せるようになるには、どうしたらいいですか?」と聞いてくる人がとても多いことです。

 ひと口に「英語が話せる」と言っても、その内容は1人ひとり違います。

●海外旅行で、1人でレストランに行き、英語で注文できること
●国際交流パーティーで、初対面の外国人と、英語で5分間会話ができること

 これくらいのレベルまで、英語の目標は具体的にする必要があるのです。

 私はTOEICが900点を超えてからのほうが、英語コンプレックスを強く感じていました。それはただ漠然と「英語をスラスラ話せるようになりたい」と思っていたためです。会社で英語を使うたびに、「いつまでたっても、私は英語が話せるようにならない」と落ち込んでいました。

 しかし、実は「英語を話す」ことはできていたのです。私ができていなかったのは、「外国人の上司から無茶振りされたときに、角を立てずに言い返すこと」だったのです。

 目標を細分化しないと、進歩や上達を実感することはとても難しくなります。「健康になる」という目標よりも、「3カ月で3キロやせる」という目標の方が、具体的なアクションを取れますし、進捗や達成度を客観的な数字で確認できます。漠然とした目標は決して達成されることはありません。英語の目標はピンポイントであればあるほど、成功する確率が上がるのです。

 

「何をやるか」よりも「どれだけやるか」

 実は内心誰もが感じていると思いますが、英語の上達にはまとまった量のインプットとアウトプットが必要です。

 日本語も小学生の頃から漢字を勉強したりして、地道に覚えてきました。英語になったとたん、週1回、1時間の英会話レッスンだけで上達を期待するのは現実的ではありません。

 もちろん、効率の良い方法や楽しみながら学ぶ方法はたくさんあります。しかし、究極的には、「何をやるか」よりも、「どれだけやるか」のほうがはるかに重要なのです。そのためには、いかに毎日続けられる仕組みを作れるかどうかが、成功する人と挫折する人の分かれ目になります。

 6月はMid-year review(ミッド・イヤー・レビュー)の時期です。企業であれば、上半期の業績を振り返り、年初に立てた目標を達成できるように下半期の活動計画を必要に応じて修正します。

 同じように、上半期英語の勉強を継続できなかった人にとっても、その要因を振り返ってみる絶好の機会です。「やっぱり今年も英語は無理か」と諦める必要はありません。今からでも巻き返しは十分可能です。まずは、目標設定を正しくやり直すところから始めてみてください。

著者紹介

峯村真紀子(みねむら・まきこ)

日本コカ・コーラ〔株〕財務本部

1973年、新潟県生まれ。津田塾大学英文学科卒業。英検1級、TOEIC 980点。外国人マネジメントの意思決定に必要な財務分析を担当。これまでに仕えた上司の出身国は、ノルウェー、オーストラリア、インド、パキスタン、ブラジルなど、南極大陸を除く5大陸を制覇。海外経験ゼロから、心理学、コーチングのスキルを応用し、独学で英語をマスター。

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