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一瞬で誰でもできる、「人の心を動かす」文章の作り方

2016年05月18日 公開
2024年12月16日 更新

木暮太一(教育コミュニケーション協会代表理事)

「香りつきのマスカラ」のキャッチコピー、どうつける?

しかし、僕が実践している方法で考えれば、誰でも簡単に、自分の言葉で表現できるようになります。
「自分の言葉で表現」すると、自分も相手もお互いにテンションが上がって、「それ面白い」と言ってもらえるのです。

これは、頭の中のどこにフォーカスするか、の問題なので、技術や地頭は要りません。
僕は小学校で作文の指導をしていますが、小学生でも簡単にできる方法です。

そのキーワードとは、「教えたいこと」。
そして、「事実」よりも先に「感情」にフォーカスすること。

たとえば、映画を観て、「すごく面白いので、誰かに勧めたい」と思ったとき。
映画の「感想」ではなく、その映画をまだ観ていない人に「教えたい」という部分は何か?と考えるのです。

このメソッドを使って、ある化粧品会社で研修をしたときの例をご紹介しましょう。
そのとき、ある女性社員の方が、「香りつきのマスカラ」のPRで悩んでいました(最近は、マスカラにも香りがついているらしいですね。まったく知りませんでした 笑)。
最初に作ったキャッチコピーは、
「瞬きするたびにウキウキ気分に。ラベンダーの香りが4時間持続」
というもの。

「香りつきのマスカラなんだな」ということは伝わりますが、どこか借りてきた言葉のようです。
そこで僕は、担当者の女性に、こう尋ねました。
「この商品について友達に教えるとしたら、何を教えたいですか?」

すると彼女は、10秒間ほど考えたのち、こう言いました。
「これを使えば、合コンの二次会で、接近戦に持ち込める!」

つまり、「香りつきのマスカラ」なんて男性は普通知りませんから、
「これ、香りつきなんだ」と言えば興味を持って顔を近づけてくる。
そこから接近戦に持ち込める!……というわけです。

こっちのコピーがついていたほうが、断然、インパクトがありますよね。
こういう言葉が自然に出てくるのが「教えたいこと」というキーワードなのです。

作文が苦手な子でも、一瞬でスラスラ書けるようになる

また、「事実よりも感情にフォーカスする」というのは、小学生の書く作文を思い浮かべてみていただけると、イメージしやすいと思います。

先述した小学生向けの作文の授業でも、僕はこの方法を子供たちに教えています。
普段、学校の作文の指導では、「5W1Hでまとめる」ように指導されることが多いようです。
この方法は決して間違っているわけではないのですが、これに従って作文を書くと、たとえばこんなふうになります。
「今日、昼休みに、校庭で、○○ちゃんと一緒にボール遊びをしました。楽しかったです」

文章としては整っているのですが、イマイチ本人の言いたいことが伝わらないと思いませんか?
それは、「5W1H」という「事実」にまずフォーカスしているために、「感情」が置いてきぼりになってしまっているからです。事実を整理することに終始してしまい、肝心の「感情」は「楽しかったです」と、とってつけたような感想だけになってしまう。

僕のやり方は逆で、まず「感情」にフォーカスします。
何が面白かったか? 何にテンションが上がったか?
お父さんやお母さんに、今日のできごとの何を「教えたい」か?
まずはそれを思い出し、そのあとで、5W1Hを組み立てていきます。
すると、どんなに国語が苦手な子でも、一瞬で「教えたい」ことを作文にできるようになるのです。

新刊『「自分の言葉」で人を動かす』では、ここで紹介した僕の話す&書くときのノウハウを、わかりやすくまとめました。
詳しく知りたい方はぜひ、お手に取ってみてください!

 

木暮太一氏の新刊が発売中!

『「自分の言葉」で人を動かす』
木暮太一著
文響社
1,339円(税込み)

 

プロフィール

木暮太一(こぐれ・たいち)

言語化コンサルタント・作家・一般社団法人教育コミュニケーション協会 代表理事

14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。『リーダーの言語化』『すごい言語化』(ともにダイヤモンド社)ほか、著書68冊、累計195万部。

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