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ワイン初心者がプロに聞きたい10の質問

2016年04月24日 公開

大越基裕(ワインテイスター/ソムリエ)

Q4 やっぱり価格が高いワインほどおいしいのですか?

A 価格と比例するのは味ではなく「飲み頃」です。

ワインの価格はさまざまな要素によって決まるので、必ずしも価格と味が比例するわけではありません。それよりも、ワインの「飲み頃」が価格に影響することが多いのを知っておくべきです。

手頃な価格帯のワインは出荷してすぐ楽しめる、つまり若いうちが飲み頃のものがほとんど。それに対し、高価格帯のワインは数年から数十年寝かせたほうがおいしく飲めます。ですから若いワインを楽しむなら、手頃な価格帯でも十分バリューを感じられるはず。一方で、舌触りの良さや複雑なフレーバーは、長期間熟成したワインのみが持つ魅力です。「普段の食事はカジュアルに、特別な日は高めのワインで」など、TPOに合った価格を選べば良いでしょう。

 

Q5 料理とワインを合わせる際はやはり「肉には赤、魚には白」ですか?

A 肉や魚などの素材ではなく、料理に合わせましょう。

一番簡単なのは、料理とワインの「重さ」をそろえること。同じエビ料理でも、こってりとしたホワイトソースのグラタンには、コクがあるシャルドネを合わせる。あっさりしたビネガーソースのサラダ仕立てには、さっぱりしたソーヴィニヨン・ブランを。このように「料理の重さ(=脂質や油分の多さ)」とワインの重さを揃えれば、ペアリングはそれほど難しくありません。

よく「肉には赤、魚には白」と言いますが、そうとは言い切れません。脂質の少ない鶏肉を塩とレモンで焼いたら白ワインが合うし、赤身のマグロに衣をつけて揚げ物にして、ソースでもかければ少し重めの赤ワインでも合います。あくまでも「素材」ではなく「料理」に合わせると考えてください。

 

Q6 ワインの種類によってグラスは使い分けるべき?

A 万能タイプを一つ、用意しておきましょう。

ワイングラスには、ボルドータイプやブルゴーニュタイプなど、ブドウ品種や産地ごとに専用のものがあります。でも初心者が自宅で楽しむなら、まずは赤・白のどれでも兼用できる万能タイプのグラスが一つあればOK。ただし、小さすぎると香りが立ちにくいので、グラスの底のふくらみの部分がにぎりこぶしよりやや大きいサイズを選んでください。

ワイングラスは、なるべく飲み口の部分が薄いものを選びましょう。グラスを傾けたとき、口の中にすっと流れ込むので、ワインがなめらかで口当たりよく感じられます。

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著者紹介

大越基裕(おおこし・もとひろ)

ワインテイスター/ソムリエ

1976 年、北海道生まれ。日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ。国際ソムリエ協会認定ソムリエ ディプロマ。1999年、ワインの奥深さに魅了されて渡仏。帰国後、2000 年にソムリエとなる。01 年、銀座レカン入社。06年より再度渡仏した後、09 年より銀座レカンのシェフソムリエを務める。
13 年、独立。現在は、日本各地とフランスを中心に世界中を行き来し、テイスティングやペアリングなどを通して情報収集をしながら、数々のレストランや企業で活躍中。ワインの魅力を発信している。All About「ワイン」ガイドも務める。

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