2016年04月04日 公開
2016年04月04日 更新
――今の状況を変えるために、社会や個人ができることはなんでしょうか?
桂 私は家庭教育が大事だと思いますね。親が子供に与える影響は非常に大きいですから。私は既婚男性によく言うんです。「朝出かけるときと帰宅したとき、奥さんに『愛してるよ』と言いなさい」と。夫婦が愛情表現する様子を見れば、子供たちも「結婚っていいな」と憧れます。女性たちには、「ご主人のことを褒めてあげなさい」と言っています。男性も女性も「相手への気持ちを言葉にするのは照れくさい」と思っているのでしょうが、もっと口にしていいんですよ。それが、次世代の結婚観に良い影響を与えるんです。
須野田 おっしゃるとおり、若い世代の教育は重要ですね。それに加えて、私はぜひアラフォー世代の男性を応援したいと考えています。この世代の男性は、「パートナーはほしいけれども、プロポーズをする勇気がない」という人が多い。「不安定な経済状況の中、自分の収入で妻と子供を養っていけるのか」という不安があるからです。でも、今は時代が変わりました。「女性のほうが年収や肩書きが上」というカップルは珍しくありません。男性が自分1人の収入で家族を養うことにこだわらなくても、家事を分担したり、夫婦で趣味を楽しむ時間を大事にしてくれれば、女性はそれで十分なのです。それを、ぜひ男性たちにわかっていただきたいですね。
桂 その証拠がここにありますよ。「プロポーズの言葉コンテスト」の歴代の最優秀賞受賞者を見ると、過去9回のうち6回は「女性から男性へ」のプロポーズの言葉が選ばれているんです。たとえば第7回の最優秀賞は、「大船に乗ったつもりで私についてきてください!」。これも女性から男性への言葉です。
須野田 いいですね、素晴らしい(笑)。
桂 ひと昔前なら男性が女性に言うセリフでしたが、今は堂々と女性が口にしている。これが現代です。これを見れば、女性が結婚するときにお金や生活のことばかり考えているわけではないとわかるでしょう。
須野田 企業も男性たちを応援してほしいですね。希望者には一定の婚活期間を認めて、その間は残業せずに婚活に専念できる制度を設けるとか。企業同士が提携して婚活パーティーを開くのもいいと思いますし、先ほどのシンガポールのように、国がバックアップして婚活を応援するNPOを作ってもいい。結婚を望む誰もが、「じゃあ、今から婚活してきます!」と遠慮なく言えるような環境ができれば、婚姻率は自然に上がっていくと思います。
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更新:11月23日 00:05